研究課題/領域番号 |
22K18276
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐藤 哲也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (40370382)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 超重元素 / イオンビーム化学 / 質量分析 / イオントラップ / イオン分子反応 / イオンビーム |
研究開始時の研究の概要 |
原子番号が100を超える元素は、加速器を用いた重イオン核反応でしか合成できず、生成量は非常に少ない上、半減期も1分程度しかないために、実験操作には多くの困難が伴い、その化学的性質は未だ多くが明らかになっていない。 「周期表の重い極限領域で周期律はどこまで成り立つのか?」という化学の根本的な問いに答えるべく、アクチノイド系列と超アクチノイド元素の橋架けとなる103番元素ローレンシウム(Lr)および104番元素ラザホージウム(Rf)に着目し、超重元素原子・分子イオンビームとイオントラップ内化学を結合させた新手法によって、LrおよびRfの原子および分子の化学的性質を明らかにする。
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研究実績の概要 |
周期表第7周期のような重い元素領域では、大きな中心電荷に起因する相対論効果によって、最外殻電子軌道電子までが影響を受けるために、その化学的性質が周期表の予想とは異なる可能性が指摘されてきた。一方、原子番号が100を超える元素はすべて人工核種であり、重イオン核反応により、これらの核種を得ることができるものの、合成された核種の生成量は非常に少ない上、半減期もごく短いために、実験操作に伴う種々の困難によって、その化学的性質は未だ多くが明らかになっていない。最近の理論計算により、アクチノイド系列と超アクチノイド元素の橋架けとなる103番元素ローレンシウム(Lr)および104番元素ラザホージウム(Rf)では、その原子の電子構造が軽い同族元素からの予想と異なることが示された。そこで、超重元素原子・分子イオンビームとイオントラップ内化学を結合させた新手法によって、LrおよびRfの原子および分子の化学的性質を明らかにする。 本研究では、核反応で合成した超重元素をイオンビームとして利用する。目的核種のイオンビーム生成のため、電子衝撃型イオン源の開発を進めるとともに、モデル実験を行うための準備ならびに質量分析装置の動作試験を開始した。その結果、希ガス元素についてイオンビームが利用可能であることを確かめた。また、イオンビーム-分子反応によって生成した分子イオンの同定のために用いる質量分析装置について構築を進め、動作試験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023(R5)年度は、質量分析装置の開発と並行して、イオン-化学反応のためのイオンビーム生成のための装置開発を進めた。不揮発性元素のイオン源内への吸着が無視できないため、最終目的であるラザホージウムのイオンビーム生成には課題を残すものの、揮発性の高い希ガス元素のイオン化は確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024(R6)年度は、質量分析装置の単体稼働試験を先行して行い、アルカリ金属イオンを表面電離法によって発生させて、質量測定用回路および制御系の最適化を進める。これと並行して、イオンビーム発生のためのオンライン同位体分離器用イオン源中での分子イオン生成を利用したイオンビーム生成を確かめる。 2025(R7)年度以降は、カリホルニウム-252自発核分裂線源を用いたオフライン実験の後、原子力機構タンデム加速器を用いて合成した短寿命核種によって、短寿命核種のイオントラップ並びに質量測定を行う。最適化した条件下で、同族元素を用いたモデル実験を行った後、超重元素イオン分子反応実験を実施する。
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