研究課題/領域番号 |
22K18288
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
太田 裕貴 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30528435)
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研究分担者 |
竹村 泰司 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30251763)
大久保 佑亮 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (80596247)
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 液体金属 / ハイドロゲル / 電子システム / スマートデバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではハイドロゲルを基板として液体金属配線技術を実現することで従来とは異次元の柔らかさを持つ(ヤング率が一般的なゴムの百分の一)スマートデバイスを実現する。従来、液体やゲルといった元来の電子デバイスの高速化・集積化には適さないと考えられていた材料を本研究ではあえて利用し、「超ソフト」なデバイスを実現することでデバイス工学の分野の新しい概念に挑戦する。実際に、本研究では、液体金属の高精細配線技術と超ソフトなハイドロゲル基板への電子素子実装技術を基礎にしたデバイス構築の基盤技術の構築を行う。
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研究実績の概要 |
液体金属配線2022年度までにハイドロゲル構造上に400 um程度の配線を行うことに成功している。ただ、ICへの接続や経口投与型デバイス(数mmスケール)を構築するうえでは細線幅を40um程度に下げる必要がある。そこで問題となるのは液体金属の低い表面張力である。それを解消するために新たにXYZステージとディスペンシングマシンを導入して、細線化を目指した。重要となるのはスライダーの分解能と基板とノズル先端の位置の制御となる。実際に、高精細なスライダーを購入しそれを解決するとともに、基板とノズル先端の位置の制御を高精度圧力センサを用いて吐出部の吐出口先端位置を検出した。さらにデジタルカメラと画像処理技術を用いることによりギャップを自動的に検出する機構を開発した。その結果現在までに目標値とされる40umの線幅は達成した。 それを、PVAフィルム上に実現し、その液体金属が付与されたPVAを水で溶かすことによってハイドロゲル上に配線を作成した。ハイドロゲル上でのデバイス構成プロセスの確立した。本研究では数um程度でのIC等実装技術が肝要となる。特にハイドロゲルという超ソフト材料の上への実装と液体金属配線との連結が必要となる。これまでに研究室独自のカスタムメイドの自動チップマウンタを導入していた。しかしながら、基板の上に、ICなどチップを超ソフトなハイドロゲルに正確に実装する際にチップの過度な基板への押し込みを防ぐ必要があった。そこで、装置の最適化を行うことでこの目標を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、当初申請書のスケジュールに関して達成すべき内容に関してほとんど達成しており、おおむね順調に進展している。今後から難易度が高い研究課題に進めていくが、そのための十分な下準備はできているものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(C-1) 超ソフトウェアラブルデイバスの実現。これまでの二つの技術を用いて液体金属によるひずみセンサ、酸化スズナノ粒子による温度センサを実装し無線通信できる超ソフト電子機械デバイスを1つ目のPoCとして実現する。これまでの課題となっていた要素技術を最適化することで十分実現可能である。このデバイスへのインテグレーション方法の確立は、並列で実施する予定であるもう一つのPoCの経口投与型埋め込みセンサの基盤となる(C-2) 腸内環境をモニタリングできる経口摂取可能な埋め込み型センサを実現。腸内細菌を検出するための経口摂取・生分解可能な埋め込み型センサを構築する。本センサはハイドロゲルの微生物の消化機能を利用することによりセンシング薄膜を分解し、それをワイヤレス給電で生体外から検知し、最終的には体液によるデバイスそのものを分解する。これを実現することによりバッテリ等の有害物質を有さずかつ消化されないデバイスを飲み込むという根本的な不安感・危険性を解消できるデバイスを実現することができる。これは患者のQoL(Quolity of Life)にも直結する重要なデバイスのPoCである。そのために3つのステップで実現する。
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