研究課題/領域番号 |
22K18300
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 一秀 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (20329220)
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研究分担者 |
久我 一喜 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (60905727)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2027年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 数値鼻 / 計算流体力学 / 生理的薬物動態 / 知覚臭気強度 / 知覚空気質 |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚情報処理・数理モデル・流体解析を統合した全く新しいコンセプトの超高精度数値鼻を開発する. 特に,人間(ヒト)とビーグル犬(イヌ)の鼻腔詳細幾何形状と嗅粘液・嗅上皮・嗅覚受容体を数理的に再現した上で,ガス状臭気物質(低分子有機化合物)の鼻腔内輸送メカニズムを非定常流体解析と連成して高精度計算する手法を確立する.その上で,嗅上皮上の嗅粘液に対する低分子有機化合物吸着フラックスの時間変化と嗅覚受容体アクセス機構を数理的に記述する生理的薬物動態モデルを独自開発し,被験者実験データと統合することで,知覚臭気強度,容認度,知覚空気質を数値的に予測可能な数値鼻を開発する.
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研究実績の概要 |
本研究では,被験者実験手法のみに依存している現状の臭い香り評価法に対し,室内空気環境設計段階(特に使用建材を選定した段階)で空間の臭い香り分布とその時間変化までを数値的に予測する超高精度数値鼻を開発する.研究初年度である2022年度は,研究計画に従って研究を推進し,以下の成果を得た. (1-1)ヒト・イヌ上気道CTデータを用いた流体解析用の鼻腔プロトタイプモデル作成:匿名ボランティアのヒトCT(コンピュータ断層撮影)データを用いて上気道,特に嗅覚領域を含む鼻腔領域の解像度を極限まで高めて詳細幾何形状を再現した流体解析用のヒト鼻腔モデルを作成した. (1-2)精緻に幾何形状を再現した上気道モデルを数値人体モデルに統合し,更にアセトンを対象とした粘膜上皮での生理的薬物動態(PBPK)モデルを実装した上で,ISO 16000-28で規定された被験者による臭気強度評価試験を再現したDigital Twinモデルを作製し,Sniffing Deviceから供給されるアセトンの呼吸に伴う鼻腔内輸送,嗅覚領域に対するアセトン吸着フラックスの時間変化を詳細に解析する基礎技術を確立した. (1-3)イヌ(短頭種であるフレンチブルドッグならびにパグ)の上気道CTデータを用いて,詳細な副鼻腔形状までを再現した複数のイヌ鼻腔モデルも作成した.定常呼吸を想定したCFD解析を実施することで,イヌ鼻腔内の狭窄領域における圧力損失を定量的に評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画に従って着実に研究を推進している.研究初年度は詳細な鼻腔モデルの作製に主眼があったが,非常に順調に研究が進み,数値人体モデルへの統合とアセトンに限定した生理的薬物動態モデルのプロトタイプモデルの実装まで研究を推進することが出来,被験者実験を数値的に再現した予備解析の実施まで進めることが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
数値解析モデル開発に関する研究課題は順調に進行しているが,次年度以降には被験者実験による臭気強度測定を予定しており,海外連携研究者を密に連携することで着実に研究成果を蓄積する計画である.
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