研究課題/領域番号 |
22K18304
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90356452)
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研究分担者 |
中西 利典 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (10462582)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 活断層 / 古地震 / DAS-VSP / 超高分解能反射法地震探査 / トレンチ / ボーリング / サイスミックトレンチ / DAS / VSP / 長期間活動履歴 |
研究開始時の研究の概要 |
活断層から発生する地震発生確率を推定する上で最重要パラメータである長期間断層活動履歴を解明することを目的として、最新の物理探査技術である広帯域大型バイブレーター震源および光ファイバを用いたDAS-VSP探査と、高精度層序ボーリングを組み合わせた観測・解析による、革新的なサイスミックトレンチ法の開発に挑戦する。
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研究実績の概要 |
2年目は、1年目に実施した調査方法・実験仕様および調査場所にもとづき、森本・富樫断層帯北部においてサイスミックトレンチ実験を実施した。森本・富樫断層帯は、金沢平野の東縁に存在する東傾斜の逆断層である。完新世後期に形成された微少な撓曲崖地形が形成されており、完新世に繰り返し活動したことが確実である。また、厚い完新統が断層の両側に分布することが分かっていることから、完新統の詳細な堆積・変形構造をイメージングすることによって、非掘削法による過去の地震イ ベントの推定を試みることができると期待される。そこで、広帯域バイブレーター震源UV2を1台使用し、全体として測線長1 km程度の測線を設定し、このうち断層近傍の400mについては0.5 m間隔の稠密受発信の超高分解能極浅層ー高分解能浅層のマルチスケール反射法探査を実施した。超高分解能反射法の主な仕様は以下の通りである:発振周波数:12-384Hz, スィープ長:8秒, 発振回数:1回, 発振測線長:400m, 発振点間隔:0.5 m, 総発振点数:709点。また、DAS-VSP観測の主な仕様は以下の通りである:観測孔深度:25m, 受振点間隔(DAS):1m, 受振点間隔(ハイドロフォンアレイ):1 m。測線沿いの1点にて掘削深度25 mのオールコアボーリングを掘削し、光ファイバーケーブルを敷設してDAS-VSP法を実施した。得られた観測データを用いて解析を行い、現状では超高分解反射法断面が得られた。今後は反射法・VSP法ともに解析を進め、断層近傍の超高分解能イメージングを図るとともに、測線沿いに掘削した4本のオールコアボーリングとの対比によって断層活動時期の推定を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の調査準備を踏まえて2年目にサイスミックトレンチ実験のデータ取得を問題なく実施できた。また、反射法・DAS-VSP法の解析を開始し、順調に暫定的な超高分解能反射断面の作成に成功した。また、DAS-VSP法についても解析を進めつつある。このほか、測線沿いのオールコアボーリング掘削・コア解析も進めている。このように、3年目にかけて本実験データの解析を進めるとともに、ボーリングデータとの対比による構造・古地震解析の準備が整いつつある。このような状況から、本研究課題は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実施したサイスミックトレンチ実験の反射法・DAS-VSP法データ解析を進め、超高分解能断面を作成するとともに、ボーリングデータとの対比による構造・古地震解析を行うとともに、本手法の有効性・課題と今後の展開について検討し、結果・手法の有効性・課題の取り纏めを行う。
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