研究課題/領域番号 |
22K18307
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舟窪 浩 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90219080)
|
研究分担者 |
岡本 一輝 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60965937)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
|
キーワード | 室温合成 / 単純構造強誘電体 / 反応層フリー特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、超低消費電力で動作しCO2削減の切り札となる革新的強誘電体デバイスを実現するために、これまで不可能とされてきた室温合成可能な単純化合物強誘電体群を開拓することである。 研究代表者は、陽イオンが1種類で結晶構造がシンプルな単純化合物(AXやAX2)であれば結晶化のエネルギー障壁が低く、合成時の劇的な低温化が可能ではないかとの着想を得た。 本研究では、「強誘電体自身の結晶化エネルギー」と「強誘電体層と下部層との界面構造」の解析を行うことで、結晶構造由来の強誘電性では不可能とされてきた従来の常識を打破する“室温合成が可能な新規単純化合物強誘電体群”を開拓する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、超低消費電力で動作しCO2削減の切り札となる革新的強誘電体デバイスを実現するために、これまで不可能とされてきた室温合成可能な単純化合物強誘電体群を開拓することである。研究代表者は、陽イオンが1種類で結晶構造がシンプルな単純化合物(AXやAX2)であれば、結晶化のエネルギー障壁が低く合成時の劇的な低温化が可能ではないかとの着想を得た。本研究では、蛍石構造のHfO2基強誘電体とウルツ鉱構造のAlN基強誘電体を中心として結晶構造由来の強誘電性では不可能とされてきた、従来の常識を打破する“室温合成が可能な新規単純化合物強誘電体群”を開拓する。 本年度は、蛍石構造を有するHfO2基薄膜の内、強誘電性の得られる組成の広いHfO2-CeO2とウルツ鉱構造を有する(Al,Sc)N膜について、RFマグネトロンスパッタリング法を用いて非加熱での種々の組成の薄膜合成を、種々の基板上に試みた。その結果、以下を得た。 1.非加熱製膜した膜は基板の種類や下部電極の配向によらず(100)方向に配向しやすく、(100)が自己配向方向であることが明らかになった。この結果はHfO2-Y2O3膜でも観察されたことから、HfO2系強誘電体膜全体の傾向であることが明らかになった。 2.非晶質の透明電極ITO上に作製した膜では、膜厚が上昇するほど特性が向上した。TEM観察からその原因は、非晶質のITOの直上部分が十分に結晶化できていないことが明らかになった。この結果は、下部電極の結晶性改善によって、より特性が向上する可能性があることを示している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特性を向上させるために、下部電極と膜の界面の制御が重要であることが確認でき、今後の研究方針が明らかになった。
|
今後の研究の推進方策 |
下部電極の結晶性を向上させ、膜の結晶性および特性との関係を解明する。最終的に、より優れた特性を有する膜の作製をめざす。
|