研究課題/領域番号 |
22K18313
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松村 幸彦 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80251370)
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研究分担者 |
井上 修平 近畿大学, 工学部, 教授 (60379899)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | バイオマス / 超臨界水ガス化 / カーボンナノチューブ / 触媒 / 水熱 / カーボンナノチューブ紙 / 直接通電加熱 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオマスを高温高圧水中で処理する超臨界水ガス化の昇温速度、反応温度、反応時間 による制御を、電気炉あるいは燃焼炉を用いた加熱から直接通電によるジュール発熱による加熱に転換する。単に加熱法が変わるだけでなく、従来にない昇温速度を実現でき、設備のコンパクト化が可能となる上、高効率加熱が達成される。反応器壁温を制御するため、カーボンナノチューブ紙を予熱管内に設置し、さらに触媒を担持させ、カーボンナノチューブを導電媒体としたナノスケールでの反応制御が期待できる。従来の超臨界水ガス化のパラダイムを打ち破り、直接通電加熱によるコンパクト、安価、高効率という3拍子そろった実用化につながる反応装置を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、バイオマスの超臨界水ガス化において急速昇温を行う重要性と、そのコストに直結する加熱設備の削減を目的として、反応器の直接通電加熱を行うとともに、その加熱中にもガス化反応を進行させて、低温部でのタール生成を抑制するためのカーボンナノチューブ担持触媒を実現することを目的としている。2022年度には、本研究の目的であるカーボンナノチューブ紙に触媒を担持した超臨界水ガス化用触媒を作成した。カーボンナノチューブ紙を作成してから触媒と担持する方法と、触媒と担持してから担持したカーボンナノチューブを用いてカーボンナノチューブ紙を作成する方法の二通りを検討し、後者が適切であることを確認した。実際に、濾過および乾燥によって8枚の触媒担持カーボンナノチューブ紙を作成、十分な柔軟性を有し、反応器内に設置することが可能であることを確認している。一方、反応器の急速加熱については、直接通電よりも誘導加熱の方が有効である可能性が確認されたため、両者を併行して検討を進めた。誘導加熱については、簡易な装置を購入して検討を行ったが、コイルが高温となって加熱が停止する状況が確認されたため、内部に冷却水を流してコイルそのものは加熱されないようにするように管を用いてコイルを作り、その中を冷却水を流す構造を構築した。また、コイルの壁と壁とを通して電気が流れてしまうことを防ぐために、耐熱塗料で絶縁を行う処理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カーボンナノチューブを紙状に成形し、触媒を担持する方法の確立が一番のポイントであった。紙状に成形しても、触媒を担持するために、これを溶液に浸すと、カーボンナノチューブ紙がほどけてしまう問題があった。これに対して、予めカーボンナノチューブを触媒溶液に懸濁させて、触媒を担持させた上で紙状に成形する手法を用い、担持ができることを確認することができた。初年度の最も大きなポイントをクリアできており、継続して今後の研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
直接通電加熱を考えていたが、誘導加熱が同等以上に有効であることが確認されたので、上記の触媒を用いて、誘導加熱の可能性を検討していく。加熱の方法は直接通電加熱でも、誘導加熱でも、触媒の有効性や伝熱特性の確認の手法は変わらないので、予定通りに研究を進めていく。
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