研究課題/領域番号 |
22K18375
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小柳 悟 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60330932)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
23,270千円 (直接経費: 17,900千円、間接経費: 5,370千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | がん性疼痛 / 概日リズム / 短鎖ペプチド / 時計遺伝子 / 鎮痛標的 / がん疼痛 / 鎮痛薬 |
研究開始時の研究の概要 |
がんによる疼痛には持続的に続く「慢性痛」と、突然の激しい痛みに襲われる「突発痛」が認められるが、がん末期に発症する突発痛に対してはオピオイドなども奏功し難いことから、より有効な鎮痛薬の開発が求められている。がんによる疼痛は一日の中の特定の時間帯に頻発することから、この点に着目して探索を行い、疼痛が頻発する時間帯に脊髄内で発現が上昇する短鎖ペプチドを発見した。本研究では概日変動を考慮したがん疼痛の評価法を用いて、その発症におけるこれら短鎖ペプチドの役割と鎮痛標的分子としての評価を行う。また、遺伝子創薬データベースを用いてがん突発痛に対する効率的かつ経済的な治療薬の探索を目指す。
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研究実績の概要 |
がんによる疼痛には持続的に続く「慢性痛」と、突然の激しい痛みに襲われる「突発痛」が認められるが、がん末期に発症する突発痛に対してはオピオイドなど も奏功し難いことから、より有効な鎮痛薬の開発が求められている。がんによる疼痛は一日の中の特定の時間帯に頻発することから、我々はこの点に着目して探索を行い、疼痛が頻発する時間帯に脊髄内で発現が上昇する短鎖ペプチド(CEPF)を見出していた。 昨年度までの検討において、これら短鎖ペプチドの役割と鎮痛標的分子としての妥当性の確認を完了していた。本年度はCEPFによるがん性疼痛の概日リズム制御機構の解析と本因子の発現または機能を抑制できる化合物の同定について検討を行った。その結果、CEPFの発現は担がんモデルマウスの脊髄ミクログリア内において概日リズムを示し、その変動は時計遺伝子によって制御されていることが明らかになった。また、CEPFの発現を抑制的に制御する時計遺伝子について、その抑制機能を刺激する低分子化合物を同定し、本化合物はCEPFの発現低下を介したがん性疼痛の緩和作用を示すことが明らかになった。 これらの結果から、脊髄ミクログリア内の時計遺伝子を標的として、がん性疼痛に対する緩和薬を創成できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験結果として一部予想外の結果が得られたことにより新たな課題が見出されたが、当初の目的どおりにがん性疼痛の概日リズム制御機構の解明と鎮痛候補化合物の同定には成功した。
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今後の研究の推進方策 |
がん性疼痛の発症には概日リズムが認められることから、次年度以降は同定した化合物の最も効果的な投薬タイミングについて検討を行う。
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