研究課題/領域番号 |
22K18377
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
桃沢 幸秀 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (40708583)
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研究分担者 |
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
山田 良子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員研究員 (50909421)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2022年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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キーワード | ゲノム医科学 / 獣医学 / 未診断疾患 / 希少遺伝性疾患 / イヌ |
研究開始時の研究の概要 |
症状がありながら診断がつかず治療の手立てがない患者(未診断疾患患者)は日本だけで3万人以上存在する。遺伝性疾患が疑われるが症状を示す患者が極めて少ない病態は原因バリアントを確定できず、ヒトゲノムのみを用いた未診断疾患の原因遺伝子同定に限界がある。本研究では、研究代表者がこれまでに培った大規模ゲノム解析技術を“ヒトと共通の疾患に罹患し、ヒトで稀な遺伝性疾患の原因となる遺伝子機能阻害バリアントを高頻度で有する”という特徴を持つイヌに適用することでヒトの未診断疾患の原因遺伝子を明らかにし、ヒトゲノム研究の障壁を克服して新たな遺伝性疾患の概念を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ヒトで稀な遺伝性疾患の原因となるバリアントを高頻度で有するイヌという動物種を活用して、ヒトの未診断遺伝性疾患の原因を明らかにすることを目的としている。 2023年度は、2022年度に引き続き東京大学附属動物医療センターにて収集されたイヌの血液検体から抽出されたDNAの全ゲノムシークエンスを実施し、遺伝子の機能欠失を引き起こす可能性が高い生殖細胞系列のバリアントの網羅的な検出を実施した。具体的には、次世代シークエンサーから出力されたbclファイルからfastqファイルを作成し、CanFam4をリファレンスゲノムとしてリードのマッピングを行った。その後、Genome Analysis Toolkit(GATK)で解析しバリアントコールを行い、SnpEffを用いて各バリアントに対してアノテーションを付与したvcfファイルを作成した。 次に、上記の流れにより検出した遺伝子の機能欠失を引き起こしている可能性が高い生殖細胞系列のバリアントの中から、疾患との関連が強いと考えられるものの絞り込みを進めた。具体的には、遺伝子上のバリアントの位置、アノテーションの正確性、ヒトゲノムへのリフトオーバーの可否などを精査するパイプラインを作成し、これらをパスするバリアントを選抜した。その後、当研究室が開発したヒトゲノム解析用大規模ターゲットシークエンス系をイヌ用に改良した系を全ゲノムシークエンスを実施していない個体に適用し、特定の犬種集団における各バリアントの頻度を算出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集したイヌゲノムからの遺伝子機能欠失を引き起こしている可能性が高いバリアントの絞り込みが進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
選抜したバリアントの中から、ヒトで既知の疾患との関連が明らかでないバリアントや希少・未診断疾患の候補遺伝子上に存在するバリアントについて、疾患との関連解析を実施する。また、ヒトの希少・未診断疾患データとの照合を進める。
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