研究課題/領域番号 |
22K18400
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70239490)
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研究分担者 |
松山 晃文 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター(臨床研究センター), 次世代創薬創生センター, センター長 (10423170)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
小椋 俊彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70371028)
岩山 智明 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80757865)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2024年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2023年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2022年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | エクソソーム / 間葉系幹細胞 / 走査電子誘電率顕微鏡 / 小角X線散乱解析 / 再生療法 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 誘電率顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに脂肪組織由来間葉系幹細胞 (AD-MSC)の自己移植による歯周組織再生効果を示してきたが、その効果発現に幹細胞由来のエクソソームの関与が示唆されている。本研究では、走査電子誘電率顕微鏡解析や小角X線散乱解析を併用し、①AD-MSC内におけるエクソソームの産生過程解析、②AD-MSCより放出されたエクソソームの1粒子解析、③エクソソームの標的細胞への取り込み機構の解析に取り組む。本研究の成果をAD-MSC由来エクソソームの質・量の改善、標的細胞への取り込み率向上、エクソソームの品質管理に繋げることで、高機能型エクソソーム再生療法の開発に資する基盤情報の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、組織再生誘導効果を示す事が示唆されている間葉系幹細胞由来のエクソソームについて、生細胞のままナノサイズの対象物の観察を可能とする走査電子誘電率顕微鏡(SE-ADM)解析と、非破壊かつ溶液のままnmレベルからμmレベルまでの幅広いレンジで性状解析できる小角X線散乱解析(SAXS/WAXS/USAXS)を併用し、間葉系幹細胞由来エクソソームの質・量の改善、標的細胞への取り込み率向上、エクソソームの品質管理につなげることを目的としている。このために①間葉系幹細胞内におけるエクソソームの産生過程解析、②間葉系幹細胞より放出されたエクソソームの内部構造、膜構造、形態等に関する1粒子解析、③エクソソームの標的細胞(歯根膜細胞や骨芽細胞等)への取り込み機構の解析、の3つの解析を進める。本年度は主に以下の成果を得た。 ①エクソソームの産生過程解析:昨年度実施した量子ドットに加えて、HaloTag-金ナノ粒子HaloTagリガンドを組み合わせた、新たなイメージング手法を開発した。 ②エクソソームの内部構造、膜構造、形態等に関する1粒子解析:間葉系幹細胞培養上清から単離・濃縮したエクソソームについて、昨年度までに得られたXeuss 3.0装置による小角X線散乱解析の結果を、新たに粒子トラッキング解析およびナノ粒子対応フローサイトメトリーの結果と統合して解析を実施した。 ③エクソソームの取り込み機構の解析:昨年度までに樹立した人工タグ標識のエクソソーム産生するノックイン間葉系幹細胞を用いて、そのイメージング解析を行った結果、同エクソソームは高効率に骨芽細胞に取り込まれることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
走査電子誘電率顕微鏡や小角X線散乱解析などの新技術を用いた間葉系幹細胞由来エクソソームの解析が概ね計画通りに進んでいる。ノックイン細胞、ノックアウト細胞を用いた実験も予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
より多くの患者由来間葉系幹細胞についてエクソソームの産生過程やエクソソームの性状の変化を検討する。さらにゲノム編集により作製したノックイン細胞、ノックアウト細胞を用いて、取り込み機構の解析を進める。
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