研究課題/領域番号 |
22K18403
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
井原 一成 弘前大学, 医学研究科, 教授 (10266083)
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研究分担者 |
中路 重之 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (10192220)
森信 繁 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30191042)
谷澤 薫平 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (50771812)
岩本 和也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40342753)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2022年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | DNAメチル化 / BDNF遺伝子 / mRNA / 環境 / 量的形質遺伝子座 / 全ゲノム解析 / 血清 mature BDNF / エピジェネティックス / 環境影響 / 健康支援 / BDNF / エピジェネティック / 疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
約2,000人の地域住民において、BDNF遺伝子を例に、環境要因の影響を受けやすいことが見込まれる遺伝子上の狭領域内で多数のCpG部位のメチル化率を測定し、全ゲノムシークエンスデータと照合してメチル化率の量的形質遺伝子座(meQTL)を探索し、BDNFのmRNA発現に影響を与えるCpG部位のメチル化障害を特定する。その上でmeQTLとメチル化率を考慮しながら、喫煙、運動習慣などの環境要因がmRNA発現に与える影響を検討することで、遺伝特徴とメチル化率を考慮した健康支援の新しい研究モデルを開発する。さらにまた、これらのデータを用いて、DNA構造を考慮した転写メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年から2023年の間に行われた疫学的調査の参加者1145人分(3年間のうち2回以上参加した人は重複分を除く)の全血サンプルと血清サンプルとを用いて、DNAのメチル化解析と血清BDNF値の測定を試みた。 弘前大学において保存しておいた全血サンプルから1064人分のDNAを抽出し、このうちquality checkを通過したのは1060サンプルで、年度末までに1034のbisulfite処理を完了した。 これらの検体についてメチル化率を測定するCpGサイトの検討を行った。まず井原と分担研究者の谷澤と岩本とで先行研究を参考に、BDNF遺伝子のプロモーター領域から3つのCpGサイトを測定標的として選定した。次いで、岩本が、それぞれのCpGサイトを含む3つのプライマーをデザインし、各CpGサイトのメチル化率測定を熊本大学において試行した。1つ目のプライマーは15のCpGサイトを標的とするようにデザインして、このうち6サイトでメチル化率の測定値を得た。2つ目と3つ目のプライマーでは、それぞれ10と4サイトを標的にして、それぞれ4サイトずつの測定値を得た。つまり最初に注目した3CpGサイトを含む計14CpGサイトのメチル化率を試行的に測定出来たが、いずれもメチル化率は1~数パーセントで環境のメチル化率への影響を検討するには低値であった。岩本が本研究以外のモデルサンプルでメチル化率を測定したが、どのサイトもほぼ同じパーセントであった。 血清サンプルについては、1145人中1133人分について測定可能な量が保存されていた。これらのサンプルについて、mature BDNF ELISAキットを用いて測定し、1133の血清mBDNF値を得ることが出来た。 メチル化解析の効率を向上させるために、共用研究設備整備支援事業に申請しメチル化解析に用いるPyrosequencerを導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年までに収集した全血サンプルと血清サンプルの9割以上からDNAを抽出するとともに、血清mBDNFの測定値を得ることが出来た。全血サンプルには検査会社から生化学検査後の血液を入手したものが含まれており、収集保管状況からDNAの抽出が出来ない可能性のあることが危惧されたが十分なqualityのDNAが抽出できた。またBisulfite処理もほぼ終了した。 メチル化率の測定も実験自体は順調に進んだ。しかし、測定したCpGサイトは、環境影響をみるにはメチル化率が低かった。これ自体重要な知見であるが、本研究を進めるためにはメチル化率の高いサイトを探索する必要がある。共用研究設備整備支援事業に申請しメチル化解析に用いるPyrosequencerを導入したので、メチル化解析の効率の向上が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
メチル化解析の標的となるCpGサイトの探索と選定と測定を進める必要がある。測定は、弘前大学にPyrosequencerを導入したことによりスピートアップが見込めるので、まず、適切なCpGサイトを選定する。対象者は、健常者であるが、10~30%のメチル化率が見込まれるCpGサイトの探索のために、うつ病患者におけるBDNF遺伝子のプロモーター領域で高いメチル化率のあるサイトを参照してきたが、他の疾患も含めた先行研究からの情報報収集も必要である。 本研究は、全ゲノムシークエンスデータを利用して、メチル化率の量的形質遺伝子座を考慮しながら、遺伝子発現に与えるメチル化率と環境の関係を明らかにするものである。昨年度までの解析でのデータを対象に、遺伝子発現の指標として血清のmature BDNF値が得られたので、mature BDNFの量的形質遺伝子座の探索が可能になった。これ自体も本研究の価値を深めるものなので探索を行いたい。
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