研究課題/領域番号 |
22K18420
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 賢一郎 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (60803244)
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研究分担者 |
黒田 大貴 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (20868731)
高谷 剛志 筑波大学, システム情報系, 助教 (90809758)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2027年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | コンピュテーショナルフォトグラフィ |
研究開始時の研究の概要 |
カメラから物体までの距離を計測する方法の確立は、コンピュータビジョンの最も大きな目的の一つであり、自律的に動くマシーンが人間と共存する未来社会実現のために必要不可欠で重要な技術である。従来より、様々な測距方法が提案されてきたものの、物体表面のテクスチャを必要とせず、かつ、パッシブに測距を行う方法はいまだに確立されていない。そこで本研究では、遠赤外放射を測距に利用するという斬新なアプローチで、物体のテクスチャが観測されることを必要としない、新たな測距モダリティの確立に挑戦する。これまで実現されたことのない測距方式の提案であり、3 次元計測技術のブレークスルーを目指す。
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研究実績の概要 |
カメラから物体までの距離を計測する方法の確立は、コンピュータビジョンの最も大きな目的の一つである。従来より、様々な測距方法が提案されてきたが、物体表面のテクスチャを必要とせず、かつ、パッシブに測距を行う方法はいまだ確立されていない。そこで本研究では、遠赤外放射を測距に利用するという斬新なアプローチで、物体のテクスチャが観測されていることを必要としない、新たな測距モダリティの確立に挑戦する。本研究では、遠赤外放射の大気での減衰の波長依存性のモデル化、計測デバイスの設計、深層学習による距離推定、といった要素を統合した、新たな測距システムを構築することを目指す。この研究は、機械にとって最適な視覚は人間を模倣する(カメラである)必要はないという考えのもと、計測と計算処理を高度に融合させることでコンピュータビジョン技術の大幅な性能向上を図ろうという、次世代のコンピュータビジョン技術の確立への第一歩となる挑戦である。 本年度においては、遠赤外カメラと、多波長バンドパスフィルタ、冷却装置、切り替え装置を組み合わせた計測装置を作成した。また、この装置を用いたフィージビリティテストを行い、表面温度を自由に設定できる黒体炉を任意の距離に置いた時に、観測値が減少すること及びその値を用いて物体までの距離が推定できることの基礎的な確認を行った。また、観測過程をヴィーン近似することで、推定パラメータと観測値の関係性を線形に説明できるモデルを確立し、それをもとに、線形演算のみで距離を推定する手法を開発し、その基礎的な評価を行った。この成果は、現在査読を受けており、今後一般に公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遠赤外カメラと、多波長バンドパスフィルタ、冷却装置、切り替え装置を組み合わせた計測装置を用いたフィージビリティテストを行い、良好な結果が得られているため、当初の計画通りに研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、黒体炉を用いた基礎的な評価を行っている段階であり、今後は様々な物体におけるフィージビリティの確認、使用するベストな波長帯の選択、深層学習等を用いた推論モデルの構築などを行っていく予定である。
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