研究課題/領域番号 |
22K18423
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長松 隆 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80314251)
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研究分担者 |
竹村 憲太郎 東海大学, 情報理工学部, 教授 (30435440)
中山 実 東京工業大学, 工学院, 教授 (40221460)
滝口 哲也 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40397815)
古和 久朋 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60396728)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 視線 / 認知症 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、視線の時系列的変化を文法や単語の意味のようなものに捉え(視線の文法化)、それを基に脳機能・脳内病理を推定する新たな学術体系の構築に挑戦する。視線から何かを推定する研究はあったが、全ての推定の共通の基礎となる文法のようなものを捉えた研究はなかった。視線の文法化ができれば、視線による様々な推定(疾病診断、意図推定など)が簡単な転移学習により可能となり、この分野の大きな変革となる。また、本研究では、視線の文法化による脳機能・脳内病理の推定の例として認知症を対象とし、認知機能が低下する前(早期)の認知症兆候の推定を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、視線の文法化による脳機能・脳内病理推定という新たな分野への挑戦・開拓である。視線は、広範囲で高度に相互接続された大脳皮質ネットワークによって制御されているので、大脳の障害によって影響を受ける。本研究では、視線の時系列的変化を文法や単語の意味等のようなものに捉え(視線の文法化)、それを基に脳機能・脳内病理を推定する新たな学術体系の構築に挑戦する。 本年度は、一つ目の実験として、視線計測装置(Tobii pro fusion)を用いて、神戸大学医学部付属病院等で視線の計測を行った。正常高齢者、MCI、あるいは初期認知症と診断されている患者24名を対象として、5つの課題(プロサッカード、アンチサッカード、滑動性眼球運動、視空間記憶、絵の説明)実施時で視線計測を行った。その際、MMSEスコアの計測も行った。それらの課題実施時の視線に関する特徴量を計算し、MMSEスコアとともにAutoGluonを用いて学習を行った。その結果、一部の課題が認知症推定に特に有効であることが示唆された。 さらに、二つ目の実験システムの準備に取り掛かっている。1000Hzで計測できる視線計測装置(Eyelink)を導入し、脳波計と接続して視線を計測する実験を計画している。現在は、それら二つの装置を準備して同期して計測できることを確認したところである。 これらと並行して、計測した生の視線データを文法化する試みとして、ある感情を生起させたときの視線を計測したデータについての機械学習を行う研究を始めた。 今後は、一つ目の実験を継続して被験者を増やしていくとともに、二つ目の実験に取り掛かる。さらに視線の文法化についても、検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視線の文法化を研究するにあたり、認知症患者のデータの取得には時間がかかる。そのため、健常者について、ある感情を生起させた時の視線データがあったので、それに関して機械学習を行う研究からスタートすることとした。また、1000Hzの視線計測装置と脳波計を接続た実験については2023年度から開始の予定であったが、共同研究者が所有する脳波計が利用可能であることが分かったため、前倒しでシステム開発に取り掛かっている。以上より、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進んでいるので、このまま進めたい。
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