研究課題/領域番号 |
22K18429
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土居 秀幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80608505)
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研究分担者 |
永野 真理子 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 嘱託講師 (80792829)
片野 泉 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (90414995)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 環境DNA / 全ゲノム / 海洋 / 水域生態系 / 生物群集 / シークエンス / 生物調査 / 全ゲノムシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、PCRフリー超深度全ゲノムシークエンスによる全DNAを網羅解析するメタバーコーディングを用いて、水域(河川・湖沼・海洋)の環境DNAから全生物相(細菌ー微細生物ーマクロ生物)を一度に丸ごと把握する手法を開発する。本手法が確立されれば、1度の環境DNA分析により水域の全生物相を把握することが可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究では、PCRフリー超深度全ゲノムシークエンスにより全DNAを網羅解析するメタバーコーディング手法を確立する。それを、水域(河川・湖沼・海洋)の 環境DNA調査に応用することで、採水・分析するだけで全生物相(細菌ー微細生物ーマクロ生物)を一度に丸ごと把握できる手法を開発する。本手法が確立され れば、1度の環境DNA分析により水域の全生物相を把握することが可能となる。本研究では確立した手法と既存の調査手法である採捕調査や既存の生物群ごとの 環境DNAメタバーコーディングによる結果と照らし合わせることでその確からしさを検証し、環境DNA手法の最終形ともいえる手法を確立する。
本研究では、PCRフリー超深度全ゲノムシークエンスによる全DNAを網羅解析に関して、ため池、湖沼、河川での採水、濾過、全DNA抽出、ライゲーションによ るライブラリ調整、超深度全ゲノムシークエンス、メタバーコーディングの技術を開発するものである。 今年度については、新たに日本海と琵琶湖から全ゲノムシークエンスようのサンプルを採水し、Fukuzawa...Doi et al. (2022)他のバッファATLを用いた環境DNA抽出方法を適用した。そのサンプルについて、PCRフリー全ゲノムシークエンスを行った。その結果、本抽出方法で1Lの海水からPCRフリー全ゲノムシークエンスが可能であり、200億リードのシークエンスを得ることができた。そのデータについて京都大学化学研究所の岡崎氏のご協力をいただいて、シークエンスデータの解析を解析し魚類を含めて多くの脊椎動物が検出されることがわかった。一方で解析にスパコンで2ヶ月を要するなどデータ解析の規模がネックとなった。抽出からシークエンスの手法は確立できたので、次年度以降は多くのシークエンスを行って解析を進めていく。よって、すでにシークエンスについてはある程度目処が立っており、概ね順調に進行していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに、今年度については、新たな大量DNA抽出方法について確立することができ、1LのサンプルからPCRフリー超深度シークエンスを行うことができた。さらに、そのシークエンスデータについて解析 し、ある程度の種群が検出できることを確認した。一方で、今回のシークエンスデータから解析の時間がネックであったため、次年度以降は高速なシークエンス解析手法を検討する。よって、すでにシークエンスについてはある程度目処が立ってお り、概ね順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、MMSeq2とKaijuを使って解析を行なっているが、解析にかなり時間がかかるため、今後はさらに高速な同定手法の解析を試す予定である。サンプルはすでに得られているが、同じ場所でプランクトンなどの群集についても顕微鏡によりカウントする予定であり、それらとの結果の整合性を見る予定である。
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