研究課題/領域番号 |
22K18432
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
高橋 晃周 国立極地研究所, 先端研究推進系, 教授 (40413918)
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研究分担者 |
渡辺 佑基 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 教授 (60531043)
國分 亙彦 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (90580324)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2025年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2023年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 動物行動 / 海洋生態 / 生態系保全 / バイオロギング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水圏大型動物の保全にとって特に重要な生息域をリアルタイムで特定する技術を開発することを目的としている。動物に記録計を装着するバイオロギング技術と衛星データ通信を組み合わせたシステムを開発し、データ回収の問題からこれまで調査が難しかった水圏大型動物の詳細な行動・生態の遠隔的な観測に適用する。このようなシステムを確立することで、生態系保全のための海洋保護区等の設置に関わる議論を「量から質へ」、また「静的な保護区から動的な保護区の設定へ」と変革させることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は水圏大型動物の保全にとって特に重要な生息域をリアルタイムで特定する技術を開発することを目的としている。動物に記録計を装着するバイオロギング技術と衛星データ通信を組み合わせたシステムを開発し、データ回収の問題からこれまで調査が難しかった水圏大型動物の詳細な行動・生態の遠隔的な観測を行い、海洋保護区等の適切な設置に資する知見を得ることを目指す。本課題の2年目にあたる今年度は、バイオロギング機器を水圏大型動物に装着することで取得できるGPSや深度といった詳細な位置や行動のデータを衛星データ通信により取得するシステムの開発を引き続き継続した。国内外のバイオロギング機器・衛星データ通信に関連するメーカーと協力して新規機器のアルゴス衛星との通信テストを実施し、野外調査での使用に耐えうる試作機を製作した。この試作機を2023年6月に北海道天売島で繁殖するウトウ幼鳥5羽に装着した。さらに、第65次南極地域観測隊に参加し、この試作機を2024年1月に南極昭和基地近くで繁殖するアデリーペンギン幼鳥22羽に装着した。その結果、これまで調査の難しかった幼鳥の巣立ち後の移動軌跡や行動情報をリアルタイムで取得することに成功した。一方で、GPSや深度等のデータ取得については一部でうまく送信ができない不具合も確認された。来年度以降の野外調査での使用に向けて、アンテナの形状変更やアルゴス送信情報の見直しなど、機器の改良に向けてメーカーとの打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
衛星データ通信に対応した機器の開発を進め、試作機を野外調査で使用するなど、昨年度の遅れを取り戻して研究が進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大以降、調査個体数制限等の制約の大きくなった海外での野外調査のみをターゲットにするのではなく、国内の海鳥に研究対象を広げたことで記録計開発のための野外調査の機会を確保できた。今後についても国内外での野外調査の機会を増やし、記録計開発を推進する。
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