• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

性愛をめぐる人間学の試み

研究課題

研究課題/領域番号 22K18460
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関大阪公立大学

研究代表者

土屋 貴志  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (90264788)

研究分担者 佐金 武  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (40755708)
野末 紀之  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (70198597)
新ヶ江 章友  大阪公立大学, 人権問題研究センター, 教授 (70516682)
石川 優  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80725036)
濱野 千尋  大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (80910265)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード性愛 / セックス / 性的倒錯 / 性的逸脱 / 性規範 / 倒錯 / 逸脱
研究開始時の研究の概要

性行動の実証的調査および文献テクスト分析を踏まえ「性愛および『性的倒錯』とはそもそも何なのか」という問題について考察する。「性的倒錯」とは (i)「本来の性愛」からの逸脱、(ii)性愛に関する社会・文化的規範に対する違反、を含むが、両者は必ずしも重ならない。また、「本来の性愛」なるものを疑う立場もあれば、「本来の性愛」の普遍性から社会・文化的規範の恣意性を批判する立場もある。本研究では、従来のセクシュアリティ/ジェンダー研究の成果も踏まえつつ、性愛をとりまく社会・文化的背景について深く考察すると同時に、性愛および「性的倒錯」それ自体を問題とする根柢的な探究を行う。

研究実績の概要

本プロジェクトは「性的倒錯」とみなされうる性行動の実証的調査および文献テクスト分析を踏まえて「性愛および『性的倒錯』とはそもそも何なのか」という根柢的な問題について考察する。哲学・社会・文化の3つのパートに分かれ、それぞれ必要に応じ研究協力者を得ながら研究活動を行う。これらのパートそれぞれが専門性の高い研究を主導し、相互にその成果を参照しつつ、評価やフィードバックを継続的に行う。
2023年度は、6月から、哲学教室の教員・大学院生・学部生や人権問題研究センターの研究員等にも広く告知し、Zoomを用いたオンライン公開研究会を、原則として毎月、計7回行なった。毎回、科研費研究代表者および分担研究者が話題を提供した(6月は新ヶ江、7月は土屋、10月は濱野、11月は佐金ほか、12月は石川、1月は野末、3月は土屋)。
また、社会パートでは、濱野が6月中旬から8月まで米国で、ラブドールおよびセックスロボットのユーザーに対する聞き取り調査を行なった。新ヶ江は、性愛をめぐる社会学・人類学・哲学の最新状況を文献調査により整理し、問題点を明らかにしている。
文化パートでは、石川は昨年度に引き続きマンガを中心とした男性同士の恋愛表象にかかわる資料を収集し分析している。野末は、19世紀英国における文学作品の分析を継続している。
哲学パートでは、佐金は研究協力者の大畑浩志氏・高野保男氏と、性的倒錯をめぐる哲学的研究を継続し、性的欲求の対象を「キャラクター」と捉えた考察を展開している。 土屋は、アダルトビデオ/性風俗産業の実態を分析するための哲学・倫理学的な視点づくりとして、フェミニスト倫理学やケア倫理学におけるポルノグラフィー批判等に関する言説のレビューを行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、社会パートで海外調査を行うなど、昨年度の研究の遅れを挽回することができた。また、6月からほぼ毎月、研究代表者および研究分担者が順番に話題提供を行う公開研究会をオンラインで開催したことにより、外部参加者も含め研究成果の共有と検討を行うことができ、プロジェクト全体にわたり考察が大いに深まった。

今後の研究の推進方策

外部の研究者にも広報し、科研メンバーを中心に話題提供する、公開の定例研究会を、原則として毎月オンラインで行なう。また、これまでの研究成果を発表する公開シンポジウムを開催する。さらに、研究成果を発展させた論文集の出版計画を具体化させる。
社会パートの新ヶ江は、検討した調査倫理、調査方法に基づき、聞き取り調査を実施する。濱野は、海外での現地調査を行ない、成果を論文として発表する。
文化パートの石川は、国内での現地調査を行ない、成果を論文にまとめる。野末は、文献資料の分析および英国での現地調査を行ない、成果を論文にまとめる。
哲学パートの佐金は、これまでの共同研究を継続し、研究グループでのイベントや学会発表等を実施する。土屋は、アダルトビデオ/性風俗産業の実態に関する哲学的・倫理学的分析に取り組む。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (28件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 3件) 図書 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「理論の探求」と「事例」2023

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 雑誌名

      臨床哲学ニューズレター

      巻: 5 ページ: 29-37

    • DOI

      10.18910/90063

    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] [書評]倉沢愛子・松村高夫著『ワクチン開発と戦争犯罪:インドネシア破傷風事件の真相』2023

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3600 ページ: 2-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本におけるレズビアン・バイセクシュアル女性の出産・育児を支える自助グループの形成過程2023

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友
    • 雑誌名

      家族研究年報

      巻: 48 ページ: 27-43

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「結婚の自由をすべての人に」訴訟(同性婚訴訟) に対する意見書2023

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友
    • 雑誌名

      人権問題研究

      巻: 21 ページ: 55-99

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 美と苦の感受性:ペイターによる唯美主義表象の書き換え2023

    • 著者名/発表者名
      野末紀之
    • 雑誌名

      オスカー・ワイルド研究

      巻: 22 ページ: 25-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] [翻訳・解題]チャールズ・ケインズ=ジャクソン「新しい騎士道」(1894年)2023

    • 著者名/発表者名
      野末紀之
    • 雑誌名

      表現文化(大阪公立大学文学研究科表現文化学教室)

      巻: 13 ページ: 48-56

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 特集:性的マイノリティと多様な「家族」 特集趣旨2022

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友
    • 雑誌名

      理論と動態

      巻: 15 ページ: 7-10

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 日本国公認学校道徳教育の摩訶不思議2023

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      日本倫理学会第74回大会ワークショップ「初等・中等教育に対する倫理学の貢献可能性」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「性的」とは何か:セックスとキャラクター2023

    • 著者名/発表者名
      佐金武、大畑浩志、高野保男
    • 学会等名
      性愛プロジェクト定例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 人間と非‐人間的存在たちとの愛や性を含む関係について2023

    • 著者名/発表者名
      濱野千尋
    • 学会等名
      日本認知科学会第40回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 『聖なるズー』と、それから:セクシュアリティを研究する2023

    • 著者名/発表者名
      濱野千尋
    • 学会等名
      慶應義塾大学経済学部特別講義
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 人間と「人間のようなもの」たちのアフェクト2023

    • 著者名/発表者名
      濱野千尋
    • 学会等名
      性愛プロジェクト定例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] BLにおけるオメガバースについて考える:「運命の番」と「男性の妊娠」2023

    • 著者名/発表者名
      石川優
    • 学会等名
      性愛プロジェクト定例研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 文学部専門科目「倫理学概論」における、思考実験について話し合う授業2023

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      日本生命倫理学会授業法研究部会2022年度第8回定例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「性的倒錯」 はいかにして可能か2022

    • 著者名/発表者名
      大畑浩志・高野保男
    • 学会等名
      応用哲学会第14回年次研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 教養教育としての中絶の授業2022

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      日本生命倫理学会授業法研究部会2022年度第2回定例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 倫理学するのに倫理思想研究は(なぜ、どこまで)必要か2022

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      現代倫理学研究会2022年6月例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 性的マイノリティによる出産・子育ての実態把握に関するアンケート調査から分かること2022

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友
    • 学会等名
      家族問題研究学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 医学部医学科初年次専門科目としての医療倫理学の授業2022

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      日本生命倫理学会授業法研究部会2022年度第5回定例会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 医学研究倫理と日本の医学犯罪2022

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志
    • 学会等名
      戦争と医学医療研究会第49回定例研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 戦争審判研究、第二輯2023

    • 著者名/発表者名
      土屋貴志ほか、程兆奇主編、上海交通大学戦争審判与世界和平研究院編
    • 総ページ数
      329
    • 出版者
      上海交通大学出版社
    • ISBN
      9787313281982
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 家族社会学事典2023

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友ほか、日本家族社会学会編
    • 総ページ数
      754
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621308349
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] サブスタンスの人類学:身体・自然・つながりのリアリティ2023

    • 著者名/発表者名
      新ヶ江章友ほか、松尾瑞穂編
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779517341
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] サブスタンスの人類学2023

    • 著者名/発表者名
      松尾瑞穂編、新ヶ江章友ほか著
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779517341
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 七三一部隊と大学2022

    • 著者名/発表者名
      吉中丈志編、土屋貴志ほか著
    • 総ページ数
      568
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814003914
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 医学史事典2022

    • 著者名/発表者名
      日本医史学会編、土屋貴志ほか著
    • 総ページ数
      836
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      9784621307243
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 軍事研究を哲学する2022

    • 著者名/発表者名
      出口康夫・大庭弘継編、土屋貴志ほか著
    • 総ページ数
      354
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812221297
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 土屋貴志のホームページ

    • URL

      http://takatsuchi1.html.xdomain.jp

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi