研究課題/領域番号 |
22K18473
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
高野 美千代 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10289811)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 近世書物史 / book history / 日英比較研究 |
研究開始時の研究の概要 |
17世紀から18世紀の日本と英国における書物文化の比較研究を行い、その偶発的類似性を明らかにする。 過去に英国の書物史を主に研究してきたなかで、英国と日本という、東西に離れた2つの国の書物文化の発展において、ちょうど同じ時期に共通した現象が発生していたことに気づかされた。たとえば庶民による読書文化、書籍商や出版者の活動、様々な形態の書物の制作など、偶発的な類似性がある事柄について詳細な比較研究を行う。そして、日英2カ国語で成果を発表することによって、未だ国際的には研究が不十分であるこの研究課題の可能性を示したい。
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研究実績の概要 |
本研究では、近世日英における書物文化が、類似した発展を遂げたことに着目し、海外研究者・研究機関と連携しながら、具体的かつ詳細な比較研究を進めている。 2023年度は、17世紀から18世紀の日本と英国の書物文化の比較研究をさらに発展させるため、国際共同研究によって同時代の出版物、出版文化の検討を行った。具体的例としては、英国オックスフォード大学の共同研究者と協力して、自然災害を扱う近世の文献資料に注目し、国内外において未だ十分な考察が行われていない日英の書物比較研究を始めた。これと並行して、2023年度は近世日英を代表する書籍商とその出版物について比較分析を扱った。日英の書籍商複数名を選び、その活動のスケール、出版物の種類、同業者組合との関係、出版統制の影響など、複数の視点から比較対照することを念頭に置いた。膨大な資料を調査衆することができ、それらの分析が必要となったため、まとまった成果を出せるまでにはもう少し時間が必要となっているが、ある程度の見通しがついた。 2023年度においては、日本国内および海外での資料の収集を順調に進めることができ、貴重な収穫を得ることとなった。さらには、英国現地に赴いて現地研究者との共同研究を実施することができたが、それによって今後、より大きな国際的研究ネットワークに参画し、その中で本研究を継続発展させる機会を得ることにつながった。国際共著論文の作成作業も開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献資料の分析や国際共同研究の進捗はほぼ順調である
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今後の研究の推進方策 |
今後は近世日英の書物文化の比較研究をさらに発展させ、具体的な研究成果を発表していきたい。本課題では国際共同研究によって同時代の出版物、出版文化の検討を行っているので、国際研究集会の開催や国際共著論文の発表を実現させる。 現在進行している、英国オックスフォード大学の共同研究者との共同研究においては、自然災害を扱う主に近世の日英文献に注目して分析を進めている。国内外において未だ十分な考察が行われていない領域であるので、成果を広く公表していきたい。 また、近世日英を代表する書籍商とその出版物について比較分析を行っているので、それを継続し、複数の日英の書籍商に関して、その活動のスケール、出版物の種類、同業者組合との関係、出版統制の状況と影響など、多面的に比較対照し、研究成果をまとめていきたい。 日本国内および海外での資料の収集を継続し、英国現地に赴いて現地研究者との共同研究をさらに進めていく。また、海外研究者を招聘しての講演会、研究集会を開催して、英文学以外の研究者に対しても広く成果を発信していきたい。
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