研究課題/領域番号 |
22K18482
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田浦 秀幸 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (40313738)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 胎生児 / 生後半年 / バイリンガル / 受動的言語処理 / 近赤外分光法 / バイリンガル胎児 / 新生児 |
研究開始時の研究の概要 |
胎児期に2言語接触を開始したバイリンガル(父母の母語が異なり、家庭内で2言語使用のなされている家庭児)が、出生直後(誕生後1ヶ月以内)にそのような体験のないモノリンガル新生児と比べて差があるのかを探る。具体的には、父母の語りかけに対する反応を行動面と脳賦活(コネクトーム)面から調査する。更に、胎児期同様の言語環境に6ヶ月新生児として身を置いた後にも、モノリンガル6ヶ月児との比較を行う。これは乳幼児発達研究の多くが3歳から6歳児を対象としたもので、1歳以下の乳児を対象としたものが非常に少ないとの瀬野(2017)による教育心理学研究の動向調査を踏まえてのものである。
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研究実績の概要 |
父母の母語が異なる国際結婚家庭に生まれるバイリンガル新生児は、胎児期から既に2言語に接している。母体内での2言語接触が、(1)バイリンガル新生児の出生直後及び6ヶ月後に受動的言語能力にどのような影響を及ぼし、(2)言語聴解時の脳内コネクトーム(ネットワーク)構築にモノリンガル新生児とどのような差があるのかを明らかにする研究である。 胎児期のバイリンガル体験が新生児にどのような影響を及ぼすかに関する研究(視線調査等)は、僅かに行動研究で存在するが、脳賦活度に関しては存在しない。モノリンガル新生児とバイリンガル新生児から出生直後と生後6ヶ月後の2度に亘って、行動データと脳賦活データを収集して、二言語接触体験の有無による比較研究を世界で初めて行うものである。 初年度の2022年度は、まだまだコロナ禍の状況が続いており、次年度以降の本格的なデータ収集に向けてタスクの精査の為に、対象乳児よりも年齢の高い児童に対してパイロットを行った。事前に予期できなかった乳幼児対象の研究の困難点が浮かび上がり、タスク及びデータ収集時の実験者の体制面に関する再検討を行い、概ね2年目のデータ収集の準備が整った。 2年目の2023年度は、同じタスクを用いて3バイリンガル新生児・2モノリンガル新生児から出生直後及び3ヶ月後にデータ収集が予定通りできた。但し、データ収集中に新生児の頭部が動きプローブは外れたケースもあったので、データ分析完了後一部のデータの削除の可能性がある。同時に、パイロット参加乳幼児3名から縦断的に受動・産出語彙に関する情報を毎月保護者から入手することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新生児からのデータ収集が、モノリンガルとバイリンガルから予定通りできた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では、出生時と生後6ヶ月後の近赤外分光法データを群内(各新生児の成長比較)・群間(モノリンガルとバイリンガルの比較)を行うので、研究最終年度には6ヶ月後のデータを収集し、脳賦活データ分析を行う。同時に既に言語産出を始めた後のバイリンガル児とモノリンガル児の言語発達状況を両親の報告及び定期的に行っている語彙テスト結果を総合的にまとめ、最終報告書に繋げる。
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