研究課題/領域番号 |
22K18494
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
佐藤 由似 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 主任専門職 (70789734)
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研究分担者 |
神谷 嘉美 金沢大学, 歴史言語文化学系, 助教 (90445841)
能城 修一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 客員教授 (30343792)
村上 夏希 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, アソシエイトフェロー (90801267)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カンボジア漆 / 王都 / 漆化学 / 植生史学 / 考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来の研究で見落とされていたカンボジア漆に対し考古学・漆化学・植生史学・考古科学の視点から多角的に科学的調査・研究をおこない、その特性・生育地・技法などの情報を新たに得ることで基礎資料を構築することを目的とした挑戦的な研究である。 そこで本研究においては、カンボジア漆に関する基礎データを蓄積するため、各分野で専門的な知識と経験を有する研究分担者・研究協力者が協働で遺物、現生試料双方の試料を科学的に分析する。本研究は「カンボジア漆とは何か?」という問いに対し、考古学からの一面的な研究ではなく、より多面的な視点からカンボジア漆を捉えるため、複数の専門分野から分析をおこなう新しい研究である。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来の研究で見落とされていたカンボジア漆に対し考古学・漆化学・植生史学・考古科学の視点から多角的に科学的調査・研究をおこない、その特性・生育地・技法などの情報を新たに得ることで基礎資料を構築することを目的とした挑戦的な研究である。 本研究においては、核となる研究分野を大きく考古学・漆化学・植生史学・考古科学の4つに分類し、各分野で専門的な知識と経験を有する研究分担者・研究協力者が協働で遺物、現生試料双方の試料を科学的に分析するものである。 初年度である2022年度は続くコロナ禍の影響もあり、現地調査はおこなうことができなかった。しかし、国内で現地調査に向けた準備作業と、海外機関との調整をおこなった。 考古学の面ではカンボジア現地において、アンコール・ワット最上層の釈迦如来立像の漆片について採取・分析の許可を得た。当該仏像は、アンコール・ワットがヒンドゥー寺院から上座部仏教寺院に改変された際に、主尊として16世紀に造像されたとされ、現在に至るまでアンコール・ワットの最上層の中央において人々の信仰を集めている。今回、現地文化財組織によって、部分的に修復されることとなり、その際に試料を採取することを許可されたものである。また、本研究を遂行するのに必要な参考文献ならびにデータ処理のためのソフトウェアの整備をおこなった。また漆化学の面では、現地調査ならびに分析作業に向けた記録用備品の整備をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は核となる研究分野を考古学・漆化学・植生史学・考古科学の4分野とし、それぞれに専門的な知識と経験を有する研究分担者・研究協力者が調査を推進する。現地での試料採取、植生調査等、本研究の根幹となる項目では合同で調査をおこなうこととしている。 2022年度はアンコール地域での漆試料精査・採取、現生ウルシ植生調査、採取試料塗膜構造分析をおこなう予定であったが、コロナ禍などのため現地調査をおこなうことができなかった。しかしアンコール・ワットの釈迦如来立像については試料採取の準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、次年度後半に現地調査をおこなうことができるよう現地機関と調整をおこない、試料採取を試みる。その試料を日本で分析をおこない、当初計画していたカンボジア北西部、南東部の漆試料の調査を進める予定である。
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