研究課題/領域番号 |
22K18502
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中山 晶一朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (90334755)
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研究分担者 |
川澄 厚志 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (00553794)
小林 俊一 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10243065)
丸谷 耕太 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (50749356)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 観光流動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,観光客移動量の行列を作成し,それを地理空間間のつながりを表す関係データとみなし,そのつながりを再構成し,エリアを設定する.次に,エリア単位でそれを再集計したラプラシアン行列のスペクトル解析を行い,移動関係の強いもしくは弱いなどのエリア間のつながりの分析を行う.さらに,このような移動関係行列をエリア魅力度とエリア間移動コスト情報(移動抵抗)の行列へと分解抽出し,観光地エリア魅力度から各エリアの集客力等の算定などを行う.
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研究実績の概要 |
現在はコロナ禍ではあるが,その収束後を見据えると,依然として観光は一つの重要な成長産業である.観光の捉え方には様々なものがあるが,それを日常圏から移動し,非日常を楽しむことと捉えると,移動が一つの重要な観点である.また,近年,日常・非日常の境界があいまいとなりつつあり,様々な移動が重要な「移動前提社会」を迎えている.本研究は,最新データサイエンス技術を適用して,地理空間的移動や流動データの粗視化とつながりの再構成を行い,観光客等の移動・集客解析を行うものである.令和4年度は,観光客の移動もしくは流動をマクロ・巨視的に捉えるために,まず,全国幹線旅客純流動調査による207生活圏間の休日の流動量データから,生活圏間の流動量のマトリクス(行列)を作成し,それをラプラシアン行列へ変換し,その行列のスペクトル解析を行った.スペクトル解析結果の第二最小固有値と第二最小固有ベクトルに着目し,これらによって,移動関係の強い生活圏や逆に弱い生活圏など生活圏間のつながりなどについての考察を行った.さらに,この第二最小固有値及び第二最小固有ベクトルを用いた生活圏間のつながり分析手法が妥当であるのか,どうか,また,第二最小固有値及び第二最小固有ベクトルを用いた手法の理論的な背景や意味の考察を行った.これらを通して,流動量のマトリクス(行列)を作成し,それをラプラシアン行列へ変換し,その行列のスペクトル解析を行うことによって得られた第二最小固有値及び第二最小固有ベクトルを用いた地域間のつながり分析手法がある一定の妥当性があることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国幹線旅客純流動調査による207生活圏間の休日の流動量データから,実際に生活圏間の流動量の行列を作成し,それをラプラシアン行列へ変換し,その行列のスペクトル解析を行い,スペクトル解析結果の第二最小固有値と第二最小固有ベクトルに着目し,これらによって,移動関係の強い生活圏や逆に弱い生活圏など生活圏間のつながりなどについての考察を行い,その手法の妥当性を検討するなどしており,研究はおおむね順調に進んでいると言える.
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今後の研究の推進方策 |
今後はデータから作成した行列をベクトルではなく,行列分解して,エリアや地域の魅力度などを評価する手法を開発などする予定である.
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