研究課題/領域番号 |
22K18522
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
牛島 光一 筑波大学, システム情報系, 助教 (80707901)
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研究分担者 |
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10580079)
小西 祥文 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (40597655)
木島 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70401718)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 機械学習 / 民族優遇 / 開発政策 / 衛星画像 / サブサハラ・アフリカ / 政治的優遇 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、サブサハラ・アフリカのような統計情報が不足する地域に対して、衛星画像を用いた機械学習によって高度な統計的分析のためのデータセットを構築できることを示し、そのデータセットを用いて、経済発展のための実証分析を行うことである。具体的には〔A〕データ構築:サブサハラ・アフリカの道路交通インフラの量・質に関するパネルデータを構築し、道路がどの民族の居住エリアにより多く建設されてきたかについて明らかにする。〔B〕実証分析:特定の民族への優遇があるほど、非効率な交通インフラ建設によって経済発展が遅れる、を検証する。
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研究実績の概要 |
研究の目的:本研究は衛星画像を用いた機械学習によって高度な統計的分析のためのデータセットを構築し、経済発展のための実証分析を行う。具体的には〔A〕データ構築:サブサハラ・アフリカの道路交通インフラの量・質に関する2000年以降のパネルデータを構築し、道路がどの民族の居住エリアにより多く建設されてきたかについて明らかにする。さらに〔B〕実証分析:特定の民族への優遇があるほど、非効率な交通インフラ建設によって経済発展が遅れる、を検証する。
研究の実施:本年度は本研究課題の2年目にあたる。ケニアにおいて、機械学習と衛星画像を用いて、道路建設パネルデータ構築し、分析した結果、民族優遇の傾向は先行研究が示していた独裁時期ほどは強くないことが確認された。しかし、大領領選挙のルールに基づく、新たな政治的優遇が起きていることが分かった。民族的優遇も政治的優遇も確認できなかった大統領もいたが、その大統領の政党は、実態として解散することになっている。機械学習による予測値の信頼性を確認する手続きを3つ行った。(1)シード値を管理することで異なるモデルの構築50件、(2)道路属性とデータの時期における道路建設の背景との整合性、(3)道路建設予算と予測舗装状況との整合性、の確認である。かなり妥当性の高い予測値が得られていることが分かった。PALSAR情報を用いた解析については解析環境を構築中である。パネルデータを構築可能な情報の選択・収集を並行して進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習と光学衛星画像による道路建設の予測モデル構築について、現在、世界的に最も優れているモデルが構築されたと考えているため。また、そのモデルの妥当性、得られた予測値がその地域の現実と整合的であることの確認が行えたため。
一方で、この技術をケニア以外の国に拡大するために必要な高分解能衛星情報の収集が若干難航している。PALSAR情報の収集と利用に活路を見出したい。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、(1)機械学習と道路予測に関する論文の執筆、(2)道路建設の優遇と経済成長に関する分析、(3)PALSAR情報を用いた解析方法の確立、を行う。
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