研究課題/領域番号 |
22K18524
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大山 睦 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20598825)
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研究分担者 |
BRAGUINSKY SERGUEY 大阪大学, 社会経済研究所, 特任教授(常勤) (40868436)
今仁 裕輔 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 特任講師(ジュニアフェロー) (00967383)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 産業経済学 / イノベーション / ビジネスダイナミズム |
研究開始時の研究の概要 |
テクノロジーの複雑性がビジネスダイナミズムにどのように影響するのか、そして テクノロジーの複雑性の変化に対して、どのようにスタートアップ企業は製品選択を行い、成長するのかをデータをもとに明らかにする。日本とアメリカのデータを用いて分析することにより、テクノロジーの複雑性と企業成長の一般的な関係を理解し、知識の蓄積と体系化を試みる。テクノロジーの本質を理解し、それを企業行動とビジネスダイナミズムに関連付けて分析することは探索的な作業であり、この問いに答えることは学術的に意義があるだけでなく、AIやロボット時代の産業育成政策や規制について、新しい考え方を提示することになる。
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研究実績の概要 |
研究代表者が主に担当する日本のデータを使用してのデータ分析については、分析方法とデータベース構築方法の検討に多くの時間と労力を費やした。本研究の問いに答える為には、テクノロジーの複雑性、企業の製品選択、企業成長に関するデータベースを作成する必要がある。政府統計である「工業統計調査」にある品目情報を利用して、企業の製品選択に関するデータを作成することを決め、「工業統計調査」の利用申請の準備を進めた。テクノロジーの複雑性を捉える為に、Orbis Intellectual Property のデータベースにある特許情報とPatstatを利用する。本格的にデータベースを構築する準備として、サンプル数を絞って、パイロット版の作成に着手した。 研究分担者はアメリカのデータを利用して、テクノロジーの新規組み合わせの経年変化とその変化におけるメガ企業の役割を分析を行っている。データ分析を行う為に、USPTO Patents View、S&P’s Compustat、 VentureXpertのデータを接合している。暫定的な結果ではあるが、2000年代の後半までは新規性に富むテクノロジーの組み合わせは減少したが、その後そのようなテクノロジーの組み合わせが増加したこと、メガ企業がその増加において大きな役割を果たしたことなどを明らかにした。また、近年、ICT関連のテクノロジーと非ICT関連のテクノロジーの組み合わせが頻繁に起きているという結果も得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本のデータを利用して研究を行う計画であったが、利用できるデータの検討やデータ利用申請の準備に時間がかかってしまい、データ分析を開始することができなかった。データ分析を行うために必要なデータベースの構築作業が計画よりも遅れている。アメリカのデータを利用する研究は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、研究代表者はデータ分析を行うために必要なデータベースの構築に時間と労力を費やし、分析できるような形にデータベースを作成する。「工業統計調査」の利用申請を5月までに行い、品目情報と事業所情報のデータベースの作成を開始する。Orbis Intellectual Property のデータベースにある特許情報とPatstatを利用して、テクノロジーの複雑性に関する指標を作成する。RAを複数人雇用して、この作業を迅速に進める。令和5年度の後半には、準備的なデータ分析を行う。その結果を踏まえて、データベース構築の補足作業を行う。特に、スタートアップ企業の製品選択に関する参入戦略と企業成長の関係を分析する。 研究分担者が担当しているアメリカのデータ分析は順調に進んでおり、令和5年の5月に専門家が集まる学会で研究成果を報告する予定である。研究報告によってフィードバックを頂けることが期待されるので、学会での提言やコメントをもとに、追加のデータ分析や分析結果の精緻化を行う。それと同時に、得られた結果を体系的にまとめる作業も行う。
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