研究課題/領域番号 |
22K18551
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
堤 敦朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (20536726)
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研究分担者 |
井筒 節 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (00392449)
森崎 裕磨 金沢大学, 融合科学系, 助教 (60964997)
松田 真希子 東京都立大学, 人文学部, 教授 (10361932)
山田 菜緒子 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (80818097)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 災害 / 障害者の権利 / 観光 / 融合研究 / アクセシブル・ツーリズム / 防災 / 人権 / 公衆衛生 |
研究開始時の研究の概要 |
アクセシブル・ ツーリズムを促進するための課題として、障害のある外国人観光客に対する「災害への備え」がある。本研究は、(1)「指定された避難場所へどのような経路で到達するか」を車椅子にGPSを装着し移動経路を調べる。(2)「避難場所に到達するまでに参照した標識や他者とのコミュニケーション」について評価するために、自動撮影を行うカメラを車椅子に装着し、障害のある外国人観光客が確認した標識、サインや他者とのコミュニケーションについて調査する。本研究は、障害当事者に対して、GPSを使用した移動経路、自動撮影カメラで撮影することでインタープリテーションやコミュニケーションの客観的データを収集する。
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研究実績の概要 |
本研究の2年目は、自然災害が発生した際の障害を持つ外国人観光客の避難経路と避難行動に焦点を当てた。対象者は車椅子を使用する外国人を含む観光客で、主に宿泊施設や観光施設、インターネットを通じてリクルートをする予定であった。研究の対象範囲は主要な観光地域に限定した。本研究では、実際に自然災害が発生したと仮定し、宿泊施設から最寄りの避難場所までの移動をシミュレーションすることとした。データ収集の主な方法として、車椅子にGPSを装着して移動経路を記録し、移動に要した時間を計測する予定であった。さらに、避難行動中に参照される標識や他者とのコミュニケーションを評価するため、車椅子に取り付けたカメラで1分ごとの自動撮影を行い、確認された標識やコミュニケーションの内容を詳細に分析する計画を立てた。これにより、避難経路の適切性や情報提供の有効性を評価する予定である。また、2年目の活動には、データの統計分析が含まれ、車椅子を使用する障害者と使用しない一般観光客のデータを比較分析し、障害を持つ観光客の避難行動に特有の課題やニーズを明らかにすることとした。これらの分析を通じて、災害時のアクセシブル・ツーリズムの改善策を提案し、研究成果を国際誌に投稿する計画も進められたが、令和6年能登半島地震が発生し、データ収集がすべて中止とせざるを得ない状況となった。よって、計画は3年目に実施することにしたが、全体の準備はすすんでいるため、計画は達成されることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、障害を持つ外国人観光客の災害時の避難経路と行動に関するデータ収集と分析を行う予定であった。しかし、令和6年に能登半島で発生した地震により、計画していたデータ収集作業が大幅に遅れる事態となった。この地震は、研究対象地域においても大きな影響を与え、予定していた宿泊施設の運営停止やインフラの損傷が発生したため、研究対象者の安全を確保するためにデータ収集を中止せざるを得なかった。加えて、地震発生による交通網の混乱が長期間にわたって続いたことで、研究チームの現地へのアクセスが困難になり、計画通りの研究活動ができない状況が続いた。これにより、研究スケジュールの見直しと調整が必要となり、プロジェクトの進行が遅れる原因となった。今後、研究チームは再びデータ収集を行うための新たな計画を立てることに加え、災害リスクをより詳細に評価し、将来的な災害発生時にも柔軟に対応できるよう研究設計の見直しを行う予定である。この経験を踏まえ、災害時の研究遂行能力を高めることも重要な課題と認識している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、障害を持つ外国人観光客の災害時の避難経路と行動に関するデータ収集と分析を行う計画であったが、令和6年に能登半島で発生した地震により、計画していたデータ収集作業が大幅に遅れる事態となった。この地震は研究対象地域にも大きな影響を与え、予定していた宿泊施設の運営停止やインフラの損傷が発生し、研究対象者の安全を確保するためデータ収集を中止せざるを得なかった。地震発生による交通網の混乱が長期間にわたって続いたことで、研究チームの現地へのアクセスが困難になり、計画通りの研究活動ができない状況が続いた。これにより、研究スケジュールの見直しと調整が必要となり、プロジェクトの進行が遅れた。
今後、研究チームは再びデータ収集を行うための新たな計画を立てることに加え、災害リスクをより詳細に評価し、将来的な災害発生時にも柔軟に対応できるよう研究設計の見直しを行う予定である。さらに、この経験をもとに、災害発生時のリアルタイムデータ収集システムの構築や、避難支援技術の開発にも着手することで、災害対応の効率化と安全性の向上を図る。これらの取り組みは、将来の研究で重要な成果をもたらす可能性がある。 一方、本研究では既に障害を持つ外国人観光客の避難行動に必要なデータ収集のための具体的な方法論やツールが確立されており、GPSやカメラを用いた追跡システムも準備完了している。このように、準備が整っているため、地震による遅れにも関わらず、研究の目標達成は依然として可能であると確信している。これからの研究活動は、これらの準備と参加者の協力に基づいて進められることになる。
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