• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

地域共生社会における「対等性」の探求

研究課題

研究課題/領域番号 22K18554
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分8:社会学およびその関連分野
研究機関東北福祉大学 (2023)
大阪大学 (2022)

研究代表者

石塚 裕子  東北福祉大学, 総合マネジメント学部, 教授 (80750447)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード対等性 / 当事者参画 / 共生社会 / 小さな声 / まちづくり / 弱さの力
研究開始時の研究の概要

本研究は、支え手と受け手という関係性を超えた多様な主体の参画と連携による地域共生
社会における「対等性」とは何かを探求することを目的とする。本研究は、弱い住民がも
つ〈弱さ〉の力を活用した取り組み事例としてイタリア、トレント市の「ファーレ アッ
シエーメ(みんなでやろう!)」という精神保健医療のメソッドに着目する。本事例の鍵
概念である「対等性」についてa.弱い住民と専門家との対等性、b.弱い住民同士の対等性
、c.弱い住民と強い住民の対等性の3点から調査行い「対等性」とは何かを明らかにする。「対等性」を問い、弱さの力を探求していくことは、共生社会の実現に向けて不可欠であり挑戦的研究として意義がある。

研究実績の概要

本研究は、支え手と受け手という関係性を超えた多様な主体の参画と連携による地域共生
社会における「対等性」とは何かを探求することを目的としている。その「対等性」を具現化している事例として、イタリア、トレント市の「ファーレ・アッシエーメ(みんなでやろう!)」という精神保健医療のメソッドに着目している。この取り組みは、2000年頃からはじめり、現在では精神保健局だけでなく、他の団体の取り組みにも援用されている。
2023年度は、昨年に引き続き2回目のトレント訪問調査を行った。選挙で選ばれたセンター職員、当事者、当事者家族、市民ボランティアで構成されているGPPという精神保健局の方針決定機関の会議の参与観察を行い、専門家と当事者との対等性について確認した。GPPという枠組みができていたことで、専門家のトップが交代してもGPPという組織の位置づけにより専門家と当事者の「対等性」が担保されていることが確認できた。また、当事者と市民の対等性を確認するために、当事者、家族、職員が講師となって精神保健福祉をテーマとした啓発事業「Fare」に複数回、参与観察を行った。企画段階から3者が一緒に考え実施するプロセスにより、そこに参加する市民へ「対等性」の理解が広がっている様子を確認することができた。
また、精神保健以外の社会的協同組合を複数訪問した。精神障害以外の障害者・児の支援組織、空き家の活用による高齢者や貧困者の支援、難民支援など多様な社会的弱者を包摂する団体が、いずれも町の中心に立地することを大切にしていることがわかった。物理的な立地と、当事者を中心において一緒に考えるプロセスにより、社会との多様な接点を必ず確保することが「対等性」を担保する重要な要素なっていることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2度の訪問調査を経て、イタリア、トレント市における取組の全体像が把握され、地域共生社会において対等性を担保する要素が理解されてきた。入手した文献などでさらに情報を補強し、日本で援用していくための留意点などを整理していく予定である。

今後の研究の推進方策

イタリア、トレント市の取り組みと倉敷市真備町のNPO法人岡山マインド「こころ」の20年間の取り組みと比較分析していく。また、シンポジウムを通じてイタリアチームとの交流を通じて、相違点を明らかにする。そして、日本での地域共生社会における対等性を担保していくための施策を検討する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 被災地のスティグマを乗り超える 障害当事者が主体となった活動の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      石塚 裕子
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究

      巻: 25 号: Paper ページ: 23-34

    • DOI

      10.18975/jais.25.Paper_23

    • ISSN
      1345-8973, 2189-891X
    • 年月日
      2023-09-22
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 被災地のスティグマを乗り超える障害当事者が主体となった活動の可能性 -倉敷市真備町NPO法人岡山マインド「こころ」とのアクションリサーチ-2023

    • 著者名/発表者名
      石塚裕子
    • 雑誌名

      福祉のまちづくり研究

      巻: 印刷中

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] プロジェクトの担い手としての多様な当事者参加の可能性 -大阪ヘルスケアパビリオンのワークショップを通じて-2023

    • 著者名/発表者名
      石塚裕子
    • 学会等名
      日本福祉のまちづくり学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] まちづくりにおける参加の場のリデザインに関する考察 ―知的障害のある職員との多様な活動経験から―2023

    • 著者名/発表者名
      石塚裕子
    • 学会等名
      障害学会第20回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 障害者に学ぶ災害対応:AFNに基づく災害対応に関する調査をもとに2023

    • 著者名/発表者名
      渥美公秀、石塚裕子
    • 学会等名
      障害学会第20回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 知的障害者の就労に関する一考察―エコレンジャーとの協働活動を通じてー2022

    • 著者名/発表者名
      石塚裕子
    • 学会等名
      日本福祉のまちづくり学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] やっかいな問題はみんなで解く2022

    • 著者名/発表者名
      堂目 卓生、山崎 吾郎
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      世界思想社
    • ISBN
      9784790717737
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-07-05   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi