研究課題/領域番号 |
22K18557
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
宮崎 つた子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (30314115)
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研究分担者 |
中北 裕子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (00515835)
西山 修平 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (10909758)
上杉 佑也 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (20756928)
本田 育美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30273204)
前田 貴彦 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60345981)
小池 はるか 東海大学, 児童教育学部, 准教授 (60530714)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 社会的養育 / 里親 / 役割意識 / 課題 / 種別 / 養育指向生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,里親の自己認識と役割意識から,里親の種別や里親養育の指向性の違いで直面している課題を明らかにするために,研究課題①【里親の自己認識と役割意識】,研究課題②【里親養育の問題と里親へのサポート】,③【里親の種別(養育型と養子型)】,④【志向性別(里親養育の志向性の3類型)】,⑤【地域里親会の支援課題】,を明らかにして子育て支援策を探求する.これらは,里親会,施設や行政などのサポートネットワークが活性化され,里親が地域社会や関係機関の支援を受けながら連携して,社会的養育を実現する支援に繋がると考える.
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研究実績の概要 |
近年,全国の児童虐待相談対応件数は増加しており,子どもが家庭内で親から暴力を受けて死亡する事件が社会問題となっている.一方,児童相談所に保護された子どもたちがその後どのような経過をたどるかの社会の関心が高いとはいえない.親の暴力や不適切な養育環境から子どもを保護し,養育するのは,社会的養護という枠組みで制度化・運用されてきた.その制度の一つが里親制度である.里親種別には,養育里親,養子縁組里親,専門里親などがあり,里親養育は,要保護児童の保護先の中では家庭で育つことに一番近い環境といわれているが諸外国に比べてきわめて低い.そこで,本研究は,里親の自己認識と役割意識から,里親の種別や里親養育の指向性の違いで直面している課題を明らかにすることを目的に取り組んでいる研究プロジェクトの2年目になる. 本年度は,昨年度の準備期の取り組みを継続・発展させて,関係者から継続的な情報収集と諸外国との比較および現状をプレ調査した.具体的には,①里親の種別(養育型と養子型)や地域里親会の組織について情報収集および関係者からの活動支援と聞き取り等から,A県内の里親会の活動および支援内容の実態と課題を明らかにした.②次年度の拡大調査にむけての各団体への依頼手続きの方法等の確認を行い,県内の組織数および対象者数の把握を行った.③昨年度の準備期からの継続で,先進国の各支援や制度等の確認と社会的養育が必要な子どもを養育する里親等の支援者数の国際比較調査を行い,その成果を国際ケアリング学会にて報告を行った.④また,里親等の支援者の多い代表国のアメリカで,里親等の支援者の実態および制度のプレ調査を行い,次年度の拡大調査に必要な基礎データを得ることが出来た.昨年度の準備期から積み上げてきた今年度の成果と課題から,次年度の拡大調査に向けての準備を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は,里親の自己認識と役割意識から,里親の種別や里親養育の指向性の違いで直面している課題を明らかにすることである.目標を達成するために,研究分担者および協力者と連携して研究全体を構成しており,養育里親,養子縁組里親,専門里親への調査開始に必要な情報を得ることが出来た.昨年度の準備期を継続・発展させて,里親の種別(養育型と養子型)や地域里親会の組織について情報収集および関係者からの聞き取り等から,次年度の拡大調査に必要な基礎資料を整えることができた.現在は次年度の拡大調査に向けて関係団体の協力を得ながら依頼手続き等の準備に取りかかっている状況である. これらから,当初の予定している2目の研究計画はおおむね実施できており,3年目の研究計画に沿って実施が可能であり,おおむね順調に進展していると評価できる.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画から予定している3年目の研究Ⅰおよび研究Ⅱは研究計画に沿って実施が可能であり,予定通り以下の調査を実施予定である. 2年目の研究Ⅰの拡大実施を行い,研究課題①の里親の自己認識と役割意識,研究課題②の里親養育の問題と里親へのサポートの問いを明らかにする. 研究Ⅰの調査対象人数まで順調に調査が終えた段階で, 研究Ⅱの③里親の種別(養育型と養子型,④志向性別(里親養育の志向性の3類型),⑤地域里親会の支援課題を明らかにして子育て支援策の探求を開始する. 具体的には,③里親の種別(養育型と養子型)と④里親養育の志向性別(「実親志向型」「シェルター志向型」「養育職志向型」の3類型)では,社会的養育への認識の相違点を探る.⑤地域里親会には養育里親と養子里親が混在しているが,両者の相違点から支援課題を探る計画になっている. 研究組織は7人の研究者で構成されており、定期的な進捗報告(調査班の質的研究調査の分析結果)に加え,多角的評価班のとの分析評価および海外の里親制度(養子や里親)の国際比較などの情報共有を行いながら多角的評価を行う予定である.
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