研究課題/領域番号 |
22K18560
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田口 敦子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70359636)
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研究分担者 |
梅垣 佑介 奈良女子大学, 生活環境科学系, 講師 (00736902)
岸 恵美子 東邦大学, 看護学部, 教授 (80310217)
石川 志麻 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 講師 (50598919)
加藤 由希子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (00903329)
平野 優子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (70459246)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 援助要請 / 地域在住高齢者 / 社会的孤立 / ライフヒストリ―法 |
研究開始時の研究の概要 |
ライフヒストリー・インタビューを基に、1)当事者の人生において援助要請しない状況に至った心理的要因、2)身体的・精神的問題が生じた際に当事者が発する微妙な援助要請兆候、3)当事者に対する家族や近隣、専門家の着眼点と予防的介入の時期・方策を明らかにする。身体的・精神的問題に対してかつて援助要請しなかったが、現在はサービス機関の利用に至った地域在住の高齢者本人20人程度と、そこに関わりをもつ専門家(医療職・福祉職)を対象とする。
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研究実績の概要 |
社会的孤立は、「家族やコミュニティとは殆ど接触がない状態(Townsend,1968)」と定義され、英国や日本で孤立・孤独担当大臣が置かれる等、国内外で深刻な社会問題となっている。中でも社会的孤立の一タイプである“援助要請しない人”は日本の成人に2~10%存在し(厚生労働省,2020)、特にその高齢者においては、健康状態の悪化や孤立死といった深刻な状況に陥り易い(斉藤,2016)。このため効果的な対策に向けた実証研究を推進することが急務であるが、事象の潜在性や複雑さから、未だにエビデンスを伴う対策の解明は殆ど進んでおらず、実態調査に止まっている。 そこで本研究は、社会的孤立の中でも身体的・精神的問題に対して“援助要請しない地域在住高齢者”に焦点を当て、1)当事者の人生において援助要請しない状況に至った心理的要因、2)身体的・精神的問題が生じた際に当事者が発する微妙な援助要請兆候、3)当事者に対する家族や近隣、専門家(医療職・福祉職)の着眼点と予防的介入の時期・方策を明確化することを目的とする。これらの知見を礎に高齢者の社会的孤立のない社会の実現を目指す。 身体的・精神的問題に対して援助要請しない高齢者を対象とすることは実現可能性が低いため、かつて援助要請しなかったが、現在はサービス機関の利用に至った地域在住の高齢者本人と、そこに関わりをもつ専門家を対象にインタビューを行っている。 本研究はライフヒストリ―法を基に行う。ライフヒストリー法は当事者の生活史を長いタイムスパンで記述することにより、実証研究に向けた新しい仮説や理論を導き出す研究法である。当事者にはライフヒストリー・インタビューを実施し、幼少期から時系列で話をして貰う。専門家には現在までの当事者への関わり(アセスメントや対応)を尋ね、特に当事者に尋ねた経過や状態と照合できるように時期を明確に聞き取る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
身体的・精神的問題に対して援助要請しない高齢者へのライフヒストリー・インタビュー、およびその高齢者に関わった専門家へのインタビューの実施を行う予定であった。2023年3月現在で、専門家へのインタビューを3名終えたところであるが、高齢者本人へのインタビューは協力を得るのに難航している。このことからやや遅れているが、引き続き専門家や本人へのリクルートを行い進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
かつて援助要請しなかったが、現在はサービス機関の利用に至った地域在住の高齢者本人(以下、当事者)と、そこに関わりをもつ専門家(医療職・福祉職)を対象にインタビューを引き続き行う。今年度は10ペアを目標とする。 2023年3月現在で、専門家へのインタビューを3名終えたところであるが、高齢者本人へのインタビューは協力を得るのに難航している。この推進方策として、ゲートキーパーである専門職との関係性を築くことの重要性を認識したため、今年度は専門家とのコミュニケーションに留意して進める。
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