研究課題/領域番号 |
22K18574
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
串本 剛 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60457835)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 学士課程教育 / カリキュラム研究 / 学科系統分類表 / 学科名 / 学位名 / 学位 / カリキュラム / 学校基本統計 / その他学科 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,「その他学科」のカリキュラム分析を通じて,学校基本統計で利用される学科系統分類表を批判的に検討することである.学校統計の経年比較や国際比較の重要性に鑑みると,文部科学省が毎年公表する学科系統分類表の役割は大きい.他方で今日では学科名称が多様化し,全学科の約4割が中分類「その他」に含まれる「その他学科」であり,そこに全学生の約3割が所属している.学科名称の多様化はカリキュラムとの対応において初めてその是非が問われると考えられるため,本研究では同じ大分類に含まれる「その他学科」の共通点や,異なる大分類に含まれる「その他学科」の相違点を明らかにするためにカリキュラム分析を実施する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,「その他学科」のカリキュラム分析を通じて,学校基本統計で利用される学科系統分類表を批判的に検討することである.学科系統分類表とは,日本の大学が使用する2000以上の学科名を,76の中分類および11の大分類で整理したものである. 2023年度は,まず6月の大学教育学会において,「学科名に基づくカリキュラムの類推可能性:学士課程教育の質保証に向けた予備的考察」と題したラウンドテーブルを開催し,その概要を『大学教育学会誌』第45巻第1号において報告した.同報告では,学科名と同じく教育分野を表す「学位に付記する専攻分野」(以下,学位名)に着目し,学科名を学位名及び学科系統中分類との関係から4つに類型化した上で,学科系統大分類別に4類型の比率を算定した.全体としては,同名学科ならば学位名も中分類も同じである「単学位単分類」の比率が約8割であったものの,残りの学科名については学科名から学位名や中分類が一意には定まらず,学士課程教育の質を専門分野の観点から保証することが容易ではないことが明らかとなった. これを受け残りの期間では,そもそも現行の学科系統分類表がどのような経緯で作られたのか,また高等教育の質保証の文脈でよく参照される米国と英国の分類表と比べた場合どのような点に違いがあるのかを調査した.その成果は,2024年5月の高等教育学会において,「専門分野別統計における「その他」の含意:「学科系統分類表」の歴史と特異性」と題し発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
必ずしも研究計画調書の通りに進行しているわけではないが,学科系統分類表の批判的検討という目的にそって,必要な分析を十分に進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は2024年度で計画期間が終了するため,研究成果を論文化し,年度内に投稿することを予定している.投稿論文では,5月の高等教育学会における口頭発表「専門分野別統計における「その他」の含意:「学科系統分類表」の歴史と特異性」を踏まえ,さらに大分類を跨いで存在する同名学科のカリキュラムを実際に比較する.カリキュラムのデータセットは既に完成しており,大分類を跨いで存在する学科名は30余りであることがわかっている.該当する学科名のカリキュラムについて,必修科目の内容を中心に分析することで,学士課程教育の質を専門分野の観点から保証するために現行の学科系統分類表が抱える課題を指摘する.
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