研究課題/領域番号 |
22K18577
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
高橋 純一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10723538)
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研究分担者 |
杉村 伸一郎 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40235891)
大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (90431634)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アファンタジア / 心的イメージ / 幼児期 / 児童期 / 可視化ツール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が対象とする「アファンタジア(aphantasia)」は2015年に提唱された新たな事例で,実際の知覚は機能しているが心的イメージを形成しにくい特質である。現在,成人を対象とした研究が展開されており,その知覚および心的イメージの特徴について知見が得られ始めている。アファンタジアは先天的な特質であるため,幼児期・児童期でも既に心的イメージ形成の困難さが生じている可能性が推測される。本研究は,幼児期・児童期におけるアファンタジアの新奇事例を提唱し,その定義を可視化できるアセスメントツールを開発しようとするものである。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究内容は,2022年度までに実施した文献研究,保育者と小学校・特別支援学校教員へのインタビュー,幼児・児童を対象とした行動観察をふまえて,尺度の作成を行った。「視覚イメージを測定できる尺度の幼児・児童版」の作成,「アファンタジアの認知・行動特性を捉えた質問項目」の抽出を行った。またイメージに関連して,「児童の認知スタイルを測定する尺度」の作成も行った。 「視覚イメージを測定できる尺度の幼児・児童版」および「アファンタジアの認知・行動特性を捉えた質問項目」については,可能性として考えられる質問項目について十分な検討が必要であったことから,実際の調査までは行っていない。調査フィールドの調整と選定までは行うことができ,次年度の調査実施に向けて準備を進めている。「児童の認知スタイルを測定する尺度」については,小学生(附属小学校)を対象として調査を行うことができ,結果の解析を行っているところである。 「視覚イメージを測定できる尺度の幼児・児童版」および「アファンタジアの認知・行動特性を捉えた質問項目」からアファンタジアを対象としたアセスメントツールの作成を予定している。このアセスメントツールを用いることで,幼児期・児童期のアファンタジアの出現率について推定する予定である。さらに,当初予定にはなかったがイメージに関連して認知スタイルについても取得できたため,アファンタジアのイメージ特性と関連させながら考察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は当初の計画通りに,視覚イメージおよびアファンタジアの認知・行動特性を調べるための尺度の作成を行うことができた。一方で,実際の調査を行うことはできなかったが,調査のフィールドは検討することができ,2024年度の調査実施に向けて目途が立った。また予定にはなかったが,児童のイメージに関連して認知スタイルの調査については尺度の作成と実際の調査まで行うことができた。 以上より,「おおむね順調に進展している」と考えた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,2023年度までに作成した尺度を使用して実際の調査を行う予定である。研究者間では幼児の回答の信頼性を議論しており,まずは児童期(中学年以降)の調査実施を優先している。質問紙としての信頼性と妥当性を確認した後に,アセスメントツールとして提案する。同時に,児童期のアファンタジアの推定も行う。
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