研究課題/領域番号 |
22K18579
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
卯城 祐司 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60271722)
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研究分担者 |
濱田 彰 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50779626)
星野 由子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (80548735)
清水 遥 東北学院大学, 文学部, 准教授 (20646905)
高木 修一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (20707773)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 英語教育 / リーディング / メタ分析 / 教育コスト / 教育効果 / エビデンス / 系統的レビュー / 指導法 / コスト / 効果量 |
研究開始時の研究の概要 |
(1)Meta-SEMによる先行研究の系統的レビュー,(2)エビデンスに基づく英文読解指導の効果検証を行う。具体的には(a)一次研究の大規模収集,(b)収集した文献の情報コーディング,(c)メタ分析に含める文献の適格性評価,(d)相関係数の統計的解析を行い,英文読解力とその構成要素の相対的重要度を探る統計解析を行う。Meta-SEMで推定した英文読解力を構成する各要素の相対的重要度を考慮した読解指導の効果も介入研究で検証する。読解指導において優先すべきとメタ分析が予測した知識・技能に,人的・時間的・経済的コストをかけた指導の効果を,クラスターランダム化比較実験により,効果量(教育効果の大きさ)を比較検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は,英語学習者が英文読解に必要とする知識・技能(すなわち構成要素)の相対的重要度を,メタ分析と構造方程式モデリング(Meta-Analytic Structural Equation Modeling: Meta-SEM)を組み合わせることにより解明しようとしている。さらに,メタ分析の結果を利用し,どのような知識・技能にどれくらいの教育リソースを割くのが英文読解指導の効果を最適化できるのかを検証している。
メタ分析は一般的に,一次研究の大規模収集,収集した文献の情報コーディング,メタ分析に含める文献の適格性評価,効果量の統計的解析というステップを経る。本研究では,(1)英文読解力とその構成要素の相関関係を扱った文献の収集,(2)データベースの作成,(3)研究結果(相関係数)の統合,および(4)教室における介入研究を行う予定である。
英文読解に必要な知識・技能の特定については様々なメタ分析が行われ,エビデンスが確立されている。しかし,これらの研究は「英文読解力と語彙力(もしくは文法力)」といった一対一の相関関係のみを統合し,語彙力は文法力よりも英文読解力と強く相関する結果から「語彙力は文法力より重要である」と主張するに留まっている。そこで研究計画の1年目にあたる2022年度は,Jeon and Yamashita (2022) で行われたメタ分析の再現に取り組みつつ,Meta-SEMを用いて能力間の関係性をSimple View of Readingというモデルに当てはめて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の1年目は,(1)英文読解指導の効果を検証する国内外の論文を広く収集し,(2)メタ分析に含める適格性評価の基準策定に必要な要因を網羅的に調査した。これは当初の計画通りである。また,研究計画の2年目に向けて,メタ分析に含める論文のコーディング作業の準備と論文のデータベース化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2年目の研究計画および発展的課題に着手する。具体的には,1年目にデータベース化した文献が報告している相関係数を統合する。さらに,メタ分析で統合された相関行列に対し構造方程式モデリングを行い,英文読解力とその構成要素の相対的重要度をモデル化する。効果量の統合・調整変数分析については,メタ分析に関わる統計解析を行い,各文献の指導効果量を算出し統合する。得られた成果については学会や論文投稿という形で発表し,外部機関による客観的な評価を確認しながら研究を進めていく。
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