配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 天文学の応用科学・総合科学的な特徴に着目し, 天体のイオン画像を通して,原子構造や電子軌道, イオンやイオン化エネルギーといった物理・化学の重要概念を学べる科目横断型の学習教材を開発とその効果の検証を行う。天体のイオン画像からは, イオンガスの温度や密度, または, 星間塵の空間分布などを調べることができる。そこで, 本学の40cm反射望遠鏡を, 天体のイオン画像撮影に特化した望遠鏡として整備し, 得られた天体のイオン画像を物理的・化学的な概念と結び付けることで, 中学・高校生・学校教員が, 物理学・化学の基礎概念とその応用を学ぶことが可能なデジタル教材の開発を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、東京学芸大学の40cm光学反射望遠鏡と冷却CCDカメラを用いて、輝線天体の複数の狭帯域撮像画像を取得し、ここから、原子構造・イオンという観点から輝線天体の物理的・化学的性質を考察する科目横断的学習の教材を作成することである。 2年目にあたる2023年度は、4種の狭帯域フィルターを用いた 1) 輝線天体の狭帯域撮像観測と 2) その画像解析、3) Hβ輝線・[OIII]λλ4959,5007輝線と連続光に対応した4種の狭帯域フィルターの仕様設計を行った。 1) については、代表的な輝線星雲として惑星状星雲M27を選出し、東京学芸大学の40cm光学反射望遠鏡と冷却CCDカメラを用いて、4種の狭帯域フィルターHa642(連続光成分用)、Ha654(Hα+[NII]λ6548用)、Ha656(Hα+[NII]λλ6548,6583用)、Ha659(Hα+[NII]λ6583用)によるM27の狭帯域撮像観測を行った。積分時間はフィルター毎に1200秒である。2) については、M27の狭帯域撮像データから狭帯域Ha642、Ha654、Ha656、Ha659画像を作成した。連続光成分に相当するHa642画像では、M27の姿を検出することは出来なかったため、M27はこの波長帯では輝線のみを放射していると考えられる。さらにこれらから、Hα輝線画像と[NII]λλ6548,6583輝線画像への分離を試みたが、現在までのところ、明瞭な輝線画像を得るには至っていない。3) については、Hβ輝線用狭帯域フィルターとして中心波長487 nm、半値幅8 nm、[OIII]λλ4959,5007輝線用として中心波長500 nm、半値幅10 nm、連続光用として中心波長525 nm、半値幅12 nm、という仕様設計を行った。
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