研究課題/領域番号 |
22K18584
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (80314615)
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研究分担者 |
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10370850)
田口 浩継 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50274676)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 木育 / SDGs / STEAM教育 / 脱炭素社会 / カリキュラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は2006年に森林・林業基本計画に記載された「木育」に関して,木材の良さや利用の意義を学ぶという既存の概念を脱炭素社会の実現に向けた新たな木育に転換するため,STEAM教育における価値の創造や問題解決の視点から分析・改良し,SDGs(持続可能な開発目標)の考え方に基づいた木育プログラムについて試行し,理論的に探索することを目的とする。本提案を通して,既存の学校教育において横断したSTEAMの視点やSDGsに基づく広がりのある木育が実践しにくい現状を打開し,脱炭素社会の実現に向けた新しい小中高一貫した木育リテラシー育成のための理論構築を図る。
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研究実績の概要 |
本研究では従来の木育の考え方を大きく変革させ,新たな価値を創造する問題解決的な「学び」として,近年注目されているSTEAMの視点を取り入れ,SDGsに基づいた新たな木育の再構築が可能か,またどのような木育プログラムの提案ができるか,その試行と理論的探索を行うことを目的としている。1年目は,既存の木育プログラムの調査・収集を行い,STEAMの視点からのプログラムを分析した。 分析には林野庁のホームページに記載されている「木育をはじめとする木材利用の普及啓発に関する事例集」の86事例を対象とした。86例を用いて,木育を進める段階的な取組として示される木育フラワーの3ステップ(Step1:触れる,Step2:創る,Step3:知る)の視点から分析した。その結果,触れる活動(23.9%),創る活動(33.6%)に該当する事例の割合が大きく,木に触れ合う活動,木工等でのものづくり活動が多いことがわかった。 さらに,STEAM教育の視点に該当する割合を分析した。その結果,STEAMの視点が含まれない事例が多い一方で,視点が含まれる事例には(E)エンジニアリング (16.3%),(A)アート (11.5%)に該当する割合が大きく,ものづくり等の創造活動が多いことがわかった。 以上のことから,既存の木育活動においては,主に幼児や小学生を中心とした木育活動が多く,それらの活動は,主に木との触れ合いや,ものづくり等の原体験に偏っていることがわかった。次年度に向けて,STEAM木育プログラムの開発・試行を行い,SDGsの考え方に基づく評価・改良を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は,既存の木育プログラムの調査・収集を行い,STEAMの視点からのプログラムを分析することを目的とした。既存の木育プログラムに関しては,林野庁が2020年に公表している木育事例集(86事例)のプログラムの調査・収集を行った。調査・分析に関しては,知る,創る,触れるの視点から調査・収集し,これらの事例をSTEAMの視点で分析した。 その結果,既存の木育プログラムに関しては,木に触れ合う活動,木工等でのものづくり活動が多く,STEAMの視点が含まれない事例が多い一方で,(E)エンジニアリング (16.3%),(A)アート (11.5%)に該当する割合が大きく,ものづくり等の創造活動が多いことがわかった。以上のことから,既存の木育活動においては,主に幼児や小学生を中心とした木育活動が多く,それらの活動は,主に木との触れ合いや,ものづくり等の原体験に偏っていることがわかった。 以上の調査・分析の結果から,既存の木育プログラムに関する現状が確認できた。この点において,「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1年目は,既存の木育プログラムの調査・収集を行い,STEAMの視点からのプログラムの特徴を把握することができた。2年目は既存の木育プログラムの内容に関して分析・改良した結果に基づいて,STEAM木育プログラムについて,SDGsの考え方に基づいて評価・改良することを目標とする。改良する視点に関しては,STEAMの視点での木育の再構築により,小中高一貫した横断的木育プログラムに向けて,その理論的な枠組みが構築できるようにする点,世界的に喫緊の課題になっているカーボンニュートラル実現に向けた次世代の教育として,総合的なアプローチ教材としての新たな木育が提案できる点を狙いとする。
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