研究課題/領域番号 |
22K18610
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
木下 俊吾 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 特任教授 (20882575)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヤングケアラー / 不登校・不登校傾向 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,子供たちの不登校やひきこもりが増加傾向を示しているが,その一部には,ヤングケアラーが疑われる子供が内在していることを見逃しているのではないかとの問いをもち研究を構想した。 このため,本研究では,はじめに,ヤングケアラーについての教員の意識を明らかにする。次に,不登校等の支援に向け必要となる子供たちの実態把握に関する状況を調べた上で,ヤングケアラーが疑われる子供たちの実態や生徒指導上の課題等を明らかにする。これらの調査結果に基づき,学校として実施が可能な支援方策の試案を作成するとともに,学校及び関係機関との意見交換の結果を踏まえ,具体性のある支援方策を提示する。
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研究実績の概要 |
近年,ヤングケアラー(以下,YC)の問題は,国やいくつかの自治体による実態調査が行われ,調査結果に基づく支援がなされてきたところであるが,学校においては,YCに関する情報が十分行き渡ってないことや,不登校等の子供の家庭状況の把握に躊躇する傾向もあるため,YCの早期発見・早期支援につながっていないケースもあると推測される。 本研究では,学校における実態把握や支援の状況を調べ,YCが疑われる子供たちの実情や生徒指導上の課題を把握し,学校が実施可能な支援方策の試案や,教育・福祉等の連携による子供及び家庭への支援方策を提示するものである。 1年目は,YCに関する論文等を整理し,研究目的をより一層明確にするとともに,道教育委員会主催の生徒指導研究協議会での講演を通して,学校関係者及び保護者のYCに関する認識について把握し,学校等の課題意識が十分とは言えない状況であることが分かった。また,域内の中・高等学校長を対象にした研修会では,YCの問題に関する認識を高めてもらうとともに,本研究への理解と協力を求めた。更に,道内A町のケアラーに関する条例や児童生徒に対する質問紙調査を実施した背景,質問紙の内容や結果について,A町の担当者に聴き取り調査や,「北海道ヤングケアラー相談サポートセンター」の活動の現状と課題について,聴き取り調査を行った。 2年目は,B市の福祉・医療関係者及び民生児童委員等が参加する市民講演会において,子供の人権を守る視点からYCの問題について啓発の機会を得るとともに,参加者からの感想等を分析し,今後の研究の焦点化を図ることができた。また,C市及びD市におけるYC支援の調査を通して,公設民営での子供の居場所づくりを通じた関わりや,SNSを介した相談支援の機会が,ゆるやかなYCの把握や個別支援につながっているものと考察でき,今後の研究提案の方向性を検討する機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヤングケアラーの把握に向けた児童福祉機関からの聴き取りや資料収集は概ね計画どおりとなったが,学校からの聴き取りや調査については,デリケートな問題であることから,丁寧な取組を進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
学校に対する質問紙調査を実施するとともに,その結果を分析し,教育・福祉等の連携やヤングケアラーが疑われる子供の支援方策試案について,域内の校長会役員との協議や教育行政機関及び福祉関係機関等との意見交換を行う。
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