研究課題/領域番号 |
22K18611
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堀田 龍也 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50247508)
|
研究分担者 |
中川 哲 立命館大学, OIC総合研究機構, 教授 (00971186)
大久保 紀一朗 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00965535)
八木澤 史子 千葉大学, 教育学部, 助教 (70965342)
柴田 隆史 東海大学, 情報理工学部, 教授 (90367136)
長濱 澄 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50779270)
川田 拓 東北大学, 情報科学研究科, 特任助教 (10907455)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | ラーニングアナリティクス / 学習ログ / デジタル教科書 / 質保障 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,初等中等教育におけるデジタル教科書の学習ログを回収し,教育ビッグデータとして正確に把握した上で,これを解析することを通して,①各ページに準備された諸機能の利用頻度等の解析によるデジタル教科書の改善手法,②単元の進捗状況のリアルタイム可視化による利用者への情報提供の手法や学校間・地域間学習進度差の把握,③教科書会社が想定する各単元の学習時間と実測値との比較による標準的な授業時数把握の手法に関する技術を検討するものである。
|
研究実績の概要 |
本研究は,国によって検定済のデジタル教科書をクラウド上に設置し,これを利用するために端末側で必要となるデジタル教科書ビューアを機能拡張することによって,デジタル教科書を用いた学習者の履歴データ(以下「学習ログ」)をクラウド上に取得し,学習ログを基にしたデジタル教科書の利用のされ方について解析する手法およびデジタル教科書の改善の手法について研究するものである。これまでの学習ログの活用が,多くの場合,学習者の学習理解の推定にフォーカスされていたのに対し,本研究では我が国で国によって予算措置され公的に用いられている教科書の精度向上に学習ログを用いようという点で挑戦的である。 第1年次(2022年)では,デジタル教科書ビューア等の機能拡張について,デジタル教科書の制作会社およびデジタル教科書ビューアの開発会社の協力を得て,既存の製品の機能拡張を実現した。学習ログを回収する機能を実装し,授業に影響を与えない形で学習ログを複数校からクラウド上に回収し,これを分析ツールによって解析する環境を整えた。 また,学校現場においては児童生徒の個人情報の保護の観点から,学習ログの回収についてデリケートな側面があるが,これに対して本研究では,学習ログのうち個人情報として特定できる部分を匿名化し,個別の学習者が特定できないように学習ログを適切に管理する技術を用いることとした。茨城県つくば市教育委員会の協力を得て,機能拡張したデジタル教科書ビューアを学校現場で利用してもらい,学習ログをクラウドストレージに取得した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
協力を得ている自治体である茨城県つくば市教育委員会との関係も良く,研究にたいへん協力的な関係を得ている。 また,協力を得ているデジタル教科書の制作会社およびデジタル教科書ビューアの開発会社とも良い連携関係が得られており,システム開発や学習ログの回収について順調に推移している。
|
今後の研究の推進方策 |
第2年次(2023年)には蓄積された学習ログをデータクレンジングするための技術的な検討をし,デジタル教科書の利用状況(各機能の利用頻度,各学校の現在の学習位置の推定とその分布)を正確に把握し可視化するための解析手法を探索的に検討する予定である。 第3年次(2024年)は,解析手法を確立させ,学習解析ツールを開発し,実証データをもとにした研究成果をプレスリリース等で全国に公表し,積極的に講演やセミナー等で広報していく予定である。
|