研究課題/領域番号 |
22K18618
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20237176)
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研究分担者 |
下井倉 ともみ 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (30569760)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 地球温暖化ガス / 排出削減 / 大気現象 / 地球観測 / 地球温暖化ガス排出削減 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、二酸化炭素による温室効果を再現するための室内実験を実現することである。地球温暖化の主な要因として、温室効果は大きな社会的関心事の一つとなっている。しかし、温室効果の原理を正しく理解している人は少なく、むしろ誤った理解が拡散している。これは、正しい原理を簡単に把握できる室内実験器が存在しないためである。しかし、惑星スケールの現象である温室効果を室内で再現することは、極めて困難である。本研究では、最近開発された高輝度LEDや薄手のプラスチックフィルムを導入することにより、温室効果を室内で再現するための実験器の制作に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、二酸化炭素による温室効果を実験室で検出するための実験器の開発にチャレンジすることである。地球温暖化の原因として、今や温室効果という言葉を知らない人はほとんどいない。しかし、温室効果の原理を正しく理解している人は少なく、むしろ誤った理解が全国的に拡散している。これは、温室効果を理解するための適切なモデル実験が存在せず、誤った理解に基づく実験例が流布していることが原因である。温室効果は、太陽放射により温められた地面が赤外線を放射し、それを地球大気が吸収して赤外線を再放射することにより、地面がさらに温められる効果である。温室効果の正しい理解を普及させるためには、よく知られた温室効果ガスである二酸化炭素を利用して、太陽・地球大気・地面の間の熱のやり取りを忠実に再現する直感的にも理解しやすい実験器を開発する必要がある。しかしながら、惑星スケールの現象である温室効果を実験室で再現することは極めて困難である。温室効果を再現したとする実験は日本でも数例報告されているが、それは実験の実施者の誤った理解に基づくものであり、信頼に足る検出例は未だに報告されていない。これを実現するためには、適切な太陽と地球大気のモデルを製作する必要がある。ここ十年ほど、我々は温室効果の原理に基づく実験装置の開発にチャレンジし、それを実現するためのアイデアを蓄積してきた。本研究では、太陽のモデルとして最近開発・販売されはじめた高輝度LEDライトを利用する。また、地球大気のモデルとしては、1気圧の気体を封入した容器の窓材として、薄いプラスチックフィルムを利用する。これらを導入した装置をマイナス40℃程度のフリーザーに入れて、温室効果実験器として完成させることを目指す。研究2年目の令和5年度は、学内的に確保することが厳しい実験室の準備・整備を中心に作業を行い、初期段階の実験を開始する準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度以来、実験に必要な装置の設置に必要な場所(実験室)の確保が学内の諸般の事情により困難になった。そのため、令和4年度中に向こう数年間使用できる実験室を新たに確保して大型フリーザー等の機材を移設したが、令和5年度は移設した機材の調整や再構築を余儀なくされた。また、実験に必要な電源や実験資材を集積しておく倉庫も別途確保せねばならなくなった。さらに、研究代表者の大学内での公務・庶務も所属教室内の諸事情により大幅に増大した。これらの問題に対処するための時間と労力を割かねばならなかったため、実験器開発の諸作業も遅延することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、太陽のモデルとして使用する高輝度LEDランプを複数用意して選定作業を進めている。また、地球大気のモデルである1気圧の気体を封入した容器(空気箱と呼ぶ)の窓材に使用するためのプラスティックフィルムの分光特性も、遅ればせながら現在調査中である。これらを導入してガスバリア性能や輝度及び分光特性の試験を行い、ベストな素材を決める。実験に必要な電力及び実験物資の集積に必要な倉庫の確保は完了している。これまで開発してきた実験器では、熱電対等のセンサーの接続部(コネクタ)付近に起因する空気漏れが発生しがちであったが、これを改善するために測定した温度の数値を無線で飛ばしてモニターできるセンサーを購入した。現在、その実用性を調査中である。令和6年度はこれらの試験を終え、年度の後半を目処に実験データを取得し、年度末までには実験結果を出したい。
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