研究課題/領域番号 |
22K18622
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
倉田 和己 名古屋大学, 減災連携研究センター, 博士研究員 (50579604)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 防災学習施設 / 質問紙調査 / 現地調査 / 展示 / コロナ禍 / WebGIS / タブレット端末 / VR・AR / 地域情報 / デジタルツイン / 防災教育 / 博物館 / データベース / 新型コロナ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、本邦初の「防災学習施設の網羅的詳細データベース」を構築し、そこから「コロナ禍を超えた防災学習施設のあり方に関する共有知」を抽出することを目的とする。昨今は財源の減少とコロナ禍の影響により、防災学習施設の運営はかつてない困難に立たされている。こうした課題に対し、防災学習施設の展示方法や運営の実態について網羅的かつ詳細なデータベースを構築し、それに基づく「優れた防災学習施設」の科学的エビデンスとベストプラクティスを抽出することを目指す。
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研究実績の概要 |
R5年度は、本研究の主たる調査手法としていた、全国の防災学習施設への統一的アンケート(郵送依頼&Web回答)を実施した。調査対象施設の台帳はR4年度の調査で整備したものに加え、R5年度に新たに予備調査を行なって、合計148施設を対象とした。 調査期間は2023/12/01-2024/1/31とし、62件(41.9%)の有効回答を得た。調査期間中にR6年度能登半島地震が発生し、行政機関(特に消防関係)で多忙のため回答困難という反応があったが、概ね必要なデータを入手することができた。 得られたデータを分析し、防災学習施設の規模(展示面積、運営費、人員数など)が極めて多様であること、またそれぞれの施設で地域の特徴を踏まえた展示内容となっていることがわかった。このことから、防災学習施設のペストプラクティスを探す上では、単純に従前の価値観で優良とされる(=多数の来館がある)施設を参照するのではなく、テーマや規模で類似性のある施設において、どのような工夫がなされているかという視点が必要であるということがわかった。また、コロナ禍の影響は防災学習施設にとって極めて深刻であり、R5年度末時点でも十分に来館者数が戻らない施設が大半を占めていることも明らかになった。さらに、こうした状況を打破するためには防災学習施設同士の横の連携によって、ノウハウ・資源を共有知として活用することが必要であると考えてきたものの、調査結果からは各施設の担当が「連携の必要性やメリット」について十分認知できていないことも明らかとなった。 本研究成果の具体的なアウトプットとして、四日市市防災教育センターが2024年5月12日にリニューアルオープンした。ここは、全国的にみてもかなり小規模でさまざまな制約がある中、デジタル技術を活用し持続可能かつ効果の高い防災教育コンテンツを導入した施設として、注目されている。
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