研究課題/領域番号 |
22K18623
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林原 玲洋 三重大学, 人文学部, 准教授 (60590544)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 討論支援 / 実験授業 / 同意取得 / 知識修得 / CSCA / マインドマップ |
研究開始時の研究の概要 |
グループで議論する活動を取り入れた授業において、議論の構造を協同で図解するツールを用いるとどのような教育効果が生じるのかを、デジタルな条件(オンラインのコラボレーションツールを用いるクラス)と、アナログな条件(紙のワークシートを用いるクラス)を比較して明らかにする。 コロナ禍を受け、各大学ではオンライン授業が急速に普及したが、アナログツールをデジタルツールに置き換えることにはデメリットもある。本研究は、デジタルツールとアナログツールの強みと弱みを探り、ポストコロナの大学教育を展望するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、議論の構造をオンラインツールで図解するクラスと手書きで図解するクラスに分けて実験授業を実施し、それぞれの強みと弱みを探るものである。 本年度は実験授業の設計と試行にあてた。本研究の実験授業は、研究代表者が担当する教養教育科目として開講するものであり、実験に参加することを予め同意した学生だけが受講するわけではない。そのため、実験に参加しない学生も混在する状況で、いかに円滑なデータ収集を進めるか検討する必要があった。とりわけ検討を要したのは以下の2点である。いずれも実験を実施するための技術的な条件を検討したものであり、本研究の目的に直接関わるものではないが、次年度以降の準備を整えることはできたと考える。 (1)本研究の実験授業は毎回ランダムで班編成をおこなうため、データ収集に対する同意も毎回取り直す必要があると判断した(学期を通して班編成を固定する場合は、包括的に同意を得る方式もありうるだろう)。試行錯誤の結果、以下の手順に落ち着いた。①入室時に番号札を引き、別途掲示する座席表にしたがって着席する(座席の位置で当日参加する班が決まる)。②出席の記録を付ける際、番号札の番号と実験参加の可否を報告する。③アイスブレイクの時間中に出席を整理し、全ての班員が実験参加の意思を示している班を特定する。④グループワークの開始前にデータ収集の対象となる班を発表し、誤りがないか確認する。 (2)本研究の実験授業では、実験に参加しない学生も同じ教室でグループワークをおこなっており、録音環境は決して良好とはいえない。そこで、雑音が多い環境でも安定した品質の音声データを得るため、ICレコーダーの設定や配置を検討した。設定についてはある程度指向性を高める必要があること、配置については3人の班の方が(4人の班よりも)適切な位置で録音できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、初年度に収集した音声データを用いて予備的な分析を開始する予定であったが、安定した品質の(文字起こしを業務委託できる水準の)音声データが十分に揃わなかったため、分析は次年度以降に持ち越すことにした。安定した品質の音声データが十分に揃わなかった原因は、そもそも実験参加に同意した班が少なかったためである。本研究の実験授業では3人~4人の班を編成しているが、今年度は4人の班を標準とし、人数が揃わない場合のみ3人の班を編成した。実験参加への同意が得られる割合は個人単位で6割~7割程度であったが、班単位で考えるとその(4人全員から同意を得られる)確率は3割に満たない。実際、授業回によってはどの班からも同意が得られず、録音を断念することもあった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は実験授業の設計を変更して、4人の班ではなく3人の班を標準とする。この変更により、録音に適した位置にICレコーダーを配置するとともに、実験参加への同意が(班単位で)得られる確率を高め、安定した品質の音声データをより多く収集することを見込んでいる。
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