研究課題/領域番号 |
22K18629
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 信一 広島大学, 高等教育研究開発センター, 特任教授 (90186742)
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研究分担者 |
福本 江利子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (40835948)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ソーシャルメディア / アテンション / 大学批判 / 大学像 / デジタルネイティブ / 研究様式の変化 / プロモーション / 肯定する学問 / 御用学者 / アテンションエコノミー / 大学 / サイバー空間 / コロナ禍 / 教育研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、デジタルネイティブ時代において、リアル世界とサイバー世界を越境する大学像を問い直すことにある。 大学はインターネットを教育・研究のツールとして使い始めたが、サイバー世界に独自の学術コミュニティが形成されている。学生はコロナ禍の中でリモート授業を経験したが、サイバー世界には無料の教育コンテンツが溢れており、学生にとって大学は相対化した。いまやデジタルネイティブ世代が学生や若手教員になる時代であり、教育研究のみならず大学もサイバー世界に取り込まれている。 本研究では、WEB中の情報の分析やインタビュー調査、アンケート調査等により、変化を包括的に把握し、新しい大学像を描出する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、デジタルネイティブの時代において、リアル世界とサイバー世界が越境する大学像や学問観を問い直すことにある。 ソーシャルメディア(SNS)の影響が大きい。SNSが普及した結果、合理性や真実性が意味を失い、さまざまなものがアテンションで評価されるアテンション・エコノミーが浸透した。大学や学問はSNSの中にも存在している。ただし、大学や学問は、世界的な政治動向とも関連している。2022年以降は移民排斥的な政治動向や社会の分断が顕在化しており、大学や学問にも影響を及ぼしている。その結果、大学批判的な大学像や学問観が顕著になってきた。こうした変化は、数年前までは、予想もできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SNSの浸透の結果、非リベラルな右派ポピュリスト政党の勢力拡大といった政治情勢が、政党レベル・国家レベルで高等教育に変容を迫りつつあることを示し、大学問題が世界各国の政治と深く関わっていること、ひいては高等教育研究の視野の拡大が必要であることを示した。 社会としても、大学の社会的意義や学問のあり方について慎重に「介入」、相互交流していく必要があることを示した。ただし、SNSの時代にはアテンションにより、評判が決まる面があるので、アテンション・エコノミーの特性について理解する必要がある。
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