研究課題/領域番号 |
22K18639
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 滋慶医療科学大学 |
研究代表者 |
吉本 圭一 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (30249924)
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研究分担者 |
江藤 智佐子 久留米大学, 文学部, 教授 (30390305)
福島 統 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60173332)
平河 勝美 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (10254476)
伊藤 一統 宇部フロンティア大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20300452)
小野セレスタ 摩耶 同志社大学, 社会学部, 准教授 (80566729)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 学修成果 / 学位・資格枠組み(NQF) / 第三段階教育 / 複線型人材養成 / 国際的通用性 / 看護師と准看護師 / 保育士 / 介護福祉士と社会福祉士 / 学位・資格枠組み / 国際通用性 |
研究開始時の研究の概要 |
チーム医療や地域包括ケアなど多職種連携や職種転換が課題となる看護・介護・保育の3領域を対象とし、第三段階教育における複線型養成ルートによる教育プログラムの実証的体系的な把握を行う。各領域別、各レベル別の学修成果/コンピテンシーを実証的に把握し、レベルとタキソノミー(成果次元としての知識・技能・態度・応用)とを組み合わせた学修成果マトリクスを策定し、職業人のコンピテンシー把握と組合せて、既修得モジュールの適切な認定よるリカレントな学びを促進するモデルの開発を行う。ひいては年数継続主義、単位累積原理にもとづく日本の教育・資格制度を、国際通用性のある学修成果基盤型へと転換させることを目的とする。
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研究実績の概要 |
柔軟な高等教育学習のための学位・資格枠組み(National Qualifications Framework : NQF)の構築に向け、その基本ツールとなる「学修成果・コンピテンシーマトリクス」を国家資格養成に関わる職域において整序し、広範な分野でカリキュラムと能力の可視化をすすめ、そのための対話促進の可能性を探ることを究極的な目的として、看護と保育・介護福祉との職域を対象として研究分担を設定し、それぞれのチームでの検討を進めた。一方の養成教育のサイドでは、①複数の資格、②複数の養成ルート、③学習量・学習モードの異なる複数の養成機関を有する複雑な体系をその制度展開を歴史的、法制的に検討することとし、学校指定養成所規則等の省令レベルまで吟味することで要請される教育内容と、対応する学修成果ディスクリプタ(知識・技能・態度・応用の4次元タキソノミーの中で)の検討、レベル調整を行った。特に看護職においては、看護師と准看護師との間での多様な接続関係から、教育知識等の積みあげの特徴を検討し、そこで「自律的な職務遂行」にかかる課題・問題状況が確認された。他方、在職段階での能力開発のサイドでは、能力の積みあげモデルとして、看護職におけるクリニカルラダー、マネジメントラダーなどを参照として検討を進め、職業コンピテンシーの段階設定を進めた。これら両者の異なる制度で展開する学修成果の段階性と職業コンピテンシーの段階性とを調整(チューニング)し、「教育の学修成果と職業現場でのコンピテンシーと」を、統合的な能力の積みあげの枠組みによって表現する「マトリクス」の開発を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度については、前半に(1)「学修成果マトリクス」へのカリキュラムと修了者能力のマッピングを進めることとしており、医療福祉関係の養成機関においてはコロナ禍での外部者の訪問調査等が困難であり、代替的に研究分担者の所属機関が深く関係する養成機関等の制度展開の調査を行い、研究会において検討した。修了者の能力とのマッピングについては、修了者データ分析を学会発表で検討しているものの、カリキュラム収集分析との対応の検討までには至っていない。(2)カリキュラム・能力のマップにかかる重複性の分析として、マッピング調査で得られた多様なカリキュラムマップと、多様な資格取得者・学習者の能力マップとをそれぞれに検討し比較することで、医療・福祉職における共通的なまた基礎的な能力要素を確認していく課題について、一定の基礎能力モデルの検討を行うことができた。(3)フィンランド、ドイツの共通基礎資格の現地実態調査を予定していたが、コロナ禍での調査の先送りをし、2023年度に改めて計画することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度については、(1)移行・接続の重複にかかる行政ステークホルダー調査、(2)3職種間転換を含む接続モデルへのロジック整序と調整、(3)接続モデルとブリッジ・プログラム(資格接続・職種間横断を含めた接続モデルのためのブリッジ・プログラム(補習と導入)の検討と試行的な開発という研究調書の計画を推進していく予定であり、特に看護師と准看護師との関係の再構築について、実践的にも有意義な課題であり、2022年度の検討成果を反映させた研究のとりまとめを行っていく。また(4)海外実態調査について、日本の共通基礎教育課程の検討進捗状況を踏まえて、研究対象の絞り込みを行っていくことを方針とする。
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