研究課題/領域番号 |
22K18641
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (80311166)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 欠測値補完 / 等化 / スタナイン / 分位点差縮小法 / 統計的推論 / テスト / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
異種のテスト得点を相互比較できるようにするための統計的手法の各種工夫および実装とその定量評価を行う。従来異なるテスト得点を互いに比較するためには、等化するためのアンカーが必要である。典型的なアンカーとして共通問題あるいは共通受験者がある。ただ等質のアンカーが得られない状況は多いことから、このような状況においても異なった得点を1次元尺度に落とし込むために、本研究では3つ以上(理科では4科目)の異なったテストから2つのテストの共通受験者に着目し、適切な数学モデル、たとえば項目反応理論における加算モデルや、欠測における適切な仮定などを置くことによってこれを達成する方法をいくつか創案し比較・評価する。
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研究実績の概要 |
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストから,平成30 年3月に告示された高等学校学習指導要領に対応して出題教科・科目の構成や内容等が変わることを期に,得点調整の在り方についての議論を行っており,大学入試センター得点調整検討部会では以下のような提言を行った。「平均点差を一定範囲内に収まるようにするという従来の調整方法を生かしつつ,段階表示の同段階間での得点差についても一定の範囲に収まるような実施条件・方法とすることが望ましい。」具体的には,従来の「20 点以上の平均点差が生じた場合」に加え,「15 点以上の平均点差が生じ,かつ段階表示の区分点差が20 点以上生じた場合」も,得点調整を実施することが適当と考える。区分点差とは,各科目の成績の段階表示(スタナイン)の各段階の境目となる,上から4%,11%,23%,40%,60%,77%,89%,96%の分位点(得点)の科目間の差をいう。併せて,得点調整の実施方法についても,従来の「平均点差が15 点になるよう,点数を調整する」だけでなく,「区分点差が最大15 点となるよう,点数を調整する」ことが望ましい。調整のアルゴリズムの詳細については,引き続き検討するものとされたが,我々は区分点差が最大となる2科目以外の科目についても,区分点差が同一の比率で縮小されるよう調整すること,ただし,その際にも,もとの点数を下げない,平均点の順序を保つという条件を課すこととした。 本年度は上記提言と工夫を実装したプログラムをRで作成し,過去の複数年にわたる実データに基づきその正当性や妥当性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストから適用される得点調整法については、令和5年2月8日より大学入試センターWebページで意見募集を開始した。新方式については異論がなく概ね、社会の同意が得られたものと思われる。新方式を実装したプログラムはRで開発されたが、業務システムに搭載すべくJavaプログラムへの移植を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
新方式を実装したJavaプログラムの動作検証と更なる安全性確保(フェイルセーフや冗長設計)を予定している。
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