研究課題/領域番号 |
22K18644
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩介 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (30345516)
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研究分担者 |
鴻池 菜保 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (80645169)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ロギング / 脳波計 / 音声コミュニケーション / 聴覚コミュニケーション / 事象関連電位 |
研究開始時の研究の概要 |
動物としての“ヒト”は、自己や他者の認知に関わる社会脳とよばれる高次な脳機能を進化で獲得し、豊かな社会性を持つ“人間”となった。社会脳の動作メカニズムとその進化の解明は、ヒトとは何か?を問う科学や哲学において重要な問題だ。しかし、社会脳は個と個をつなぐ脳機能なので、一般的な脳科学の方法で、ひとりひとりを個別に調べても分からないことが必ず残る。本研究は、2個体また3個体以上のヒトやサルにおいて、多個体同時に無侵襲で脳波を記録できる、時間同期可能なウェアラブルな脳波計を開発することで、社会脳の研究にブレークスルーをもたらす挑戦である。
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研究実績の概要 |
動物としての“ヒト”は、自己や他者の認知に関わる社会脳とよばれる高次な脳機能を進化で獲得し、豊かな社会性を持つ“人間”となった。社会脳は個と個をつなぐ脳機能なので、ひとりひとりを個別に調べても分からないことが必ず残る。そこで、ハイパースキャニング法が考案された。これは通常2台の脳機能画像装置で、同時に複数の被験者の脳活動を測定するものだが、考案から20年が経ち、成果には頭打ちも見られる。本研究は、この方法論を不連続的に飛躍的に発展させる新設計の脳波計を開発する。革新性は、以下の通りである。1)小型でウェアラブルな無線装置のため、屋外など自然な社会場面で使用できる。2)何台にでも拡張できる。3)実験者が用意した刺激だけでなく、被験者の突発的で自発的な発話や表情などへの脳反応を、事象関連電位として解析できる。4)サルなどの人以外の動物に装着することで、社会脳の進化を調べるほか、薬物投与や光遺伝学的な研究への道が開ける。こうした突出した強みのある方法論を開発し、社会脳の研究にブレークスルーをもたらすことを目的とする。 研究の初年度に、サル実験を行う予定だった共同研究者が、サルを飼育をしない施設に異動となった。そこで、新しく分担研究者を加えることで、当初の想定に近い共同研究体制を整えた。次に、本研究の開発目的である「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」の1号機を製作し、ゲイン調整を行なった。もう一つは、霊長類以外の哺乳類における無侵襲脳波記録法の開発を行なった。すなわち、「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」の開発後にこれを適用する対象に、当初予定していた霊長類以外の哺乳類を含めることを想定し、マウス・ウマ・ブタの頭皮上無侵襲脳波記録の方法論を開発し、聴覚誘発電位の記録に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他施設においてサル実験を行う予定であった共同研究者がサルを飼育をしていない教育研究施設に異動となったため、研究体制の再構築に時間がかかったが、対象の動物種を増やすなどして遅れを取り戻しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
霊長類やその他の哺乳類を対象に「音声録音機能付きの小型脳波ロガー」により聴覚誘発電位を記録する。
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