研究課題/領域番号 |
22K18651
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
小崎 智照 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (80380715)
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研究分担者 |
妹尾 武治 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (40546181)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 静止画像 / 運動錯視 / LED / 点滅光 / 錯視 / LED照明 / 光の波長 / 光強度 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、普及しているLED照明は蛍光灯など従来の光源とは異なり光の強さ・色・点滅を自由に制御できる。これまでLED照明の特性を生かしてヒトの生理(非視覚)機能に適した光環境の研究が行われてきた。光による非視覚作用は従来の視細胞(錐体・桿体細胞)とは異なる内因性光受容性網膜神経節細胞(ipRGC)が主に光受容器として働いている。しかし、ipRGCは従来の視細胞が受けた光情報を脳へ中継する役割もあるため、ipRGC自身が受けた光情報も視覚へ関与することが明らかとなりつつある。そこで、本研究ではipRGCの特性に着目し、照明条件が錯視へ作用するのか明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は発光ダイオードによる点滅光が印刷された錯視画像を視た際の運動錯視の感じ方へ与える影響について検討した。その結果、全ての視細胞が反応する白色光を用いた場合に、100Hzまでの点滅光は有彩色の錯視画像を視た際の運動錯視を強く感じさせた。しかし、内因性光感受性神経節細胞(ipRGC)を主に刺激する青色とipRGCを刺激しない赤色の点滅光では、無彩色の錯視画像に対する運動錯視の感じ方に影響を与えなかった。以上より、点滅光による運動錯視を強く感じさせる作用は、特定の視細胞だけを刺激する光条件下では得られにくいことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究より瞬きや5Hzでコンピューター画面を点滅させることで錯視画像による運動錯視の感じ方が強くなることは知られていた。これらの周波数は光強度の変化を知覚できる臨界融合頻度(CFF)以下である。しかし、本研究では100HzというCFF以上の点滅光も同様に運動錯視の感じ方を強くすることを示唆するものであり、これはCFF以上の高速点滅光に対しても視細胞が応答し、それが運動錯視へ影響することを示唆した学術的に新規性の高い結果である。また、運動錯視などの視覚に影響する光の点滅条件を明らかすることは、臨場感を高めるアトラクション空間などでのLED照明の新たな活用法につながる社会的意義のあるものである。
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