研究課題/領域番号 |
22K18656
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
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研究分担者 |
岩滿 優美 北里大学, 医療系研究科, 教授 (00303769)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 粘土作成 / 心的表現 / 描画 / 臨床心理学 / 計量心理学 / 多次元解析 / 心理評価 / 自己表現活動 / 心理表現 / 空間解析 / 計量モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多次元空間解析による描画と粘土作成の分析方法を開発し、これまで問題指摘されていた投影法的手法の客観性の問題を克服することを目指す。特異値分解、フーリエ解析、ウェーブレット解析などの画像解析手法やその他の解析手法に基づいて精神科医や臨床心理学者との連携のもとに新しく開発した方法の臨床的利用の検討を行い、臨床現場での心理評価や診断の補助手段としての利用法を提案し、社会心理学における社会認知研究などへの応用研究も行う。
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研究実績の概要 |
心理療法等の臨床現場においては、クライエントに樹木や人物の描画をさせ、その描画の特徴から、臨床的な診断を行うということがしばしばなされている。他方、芸術療法では,絵画,コラージュ,音楽,心理劇など多岐にわたるが,その中に粘土を用いた芸術療法がある。粘土は,描画よりも自己表現活動としては容易であると言われている。粘土を触るという行為にはリラクセーション効果及びカタルシス効果があると言われており、臨床評価において用いられることもある。しかし、このような描画や粘土作成の方法は、臨床心理学の内部でも客観性が乏しいとの批判がなされることがある。本研究は、多次元空間解析による描画と粘土作成の分析方法を開発し、これまで問題指摘されていた投影法的手法の客観性の問題を克服することを目指す。その方法に基づいて精神科医や臨床心理学者との連携のもとに新しく開発した方法の臨床的利用の検討を行い、臨床現場での心理評価や診断の補助手段としての利用法を提案し、さらに社会心理学における社会認知研究法としても検討することも目的としている。本年度は、まず研究の出発点りとして、粘土作成体験を大学生を中心とする実験参加者に体験させる実験を行い、その後の感情体験や認知体験を計測して、臨床心理的見地から考察を行った。この結果は、学術誌に公刊している。また、この分析についての理論的な検討も進展がみられている。ただし、コロナ禍の中での粘土の体験や形成過程の測定ということは、感染防止の観点から非常に難しく、あまり調査や実験が進展していなかった。来年度からコロナ禍の問題が払拭される可能性が高いので、さらに調査や実験による研究をより進展させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、研究代表者および分担者の大学でも関連機関においても、コロナ禍の中での行動制限が続き、粘土の体験や形成過程の測定ということは、感染防止の観点から非常に難しく、あまり調査や実験が進展していなかった。ただし、粘土の形成に関する予備的研究は、論文としてまとめている。来年度からコロナ禍の問題が払拭される可能性が高いので、さらに調査や実験による研究をより進展させたい。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、粘土作成体験を実験参加者に持たせる実験を行い、我々は、その後の感情体験や認知体験を計測して、臨床心理的見地から考察を行った。この結果は、学術誌に公刊している。また、理論的な検討も進展がみられている。研究代表者および分担者の大学でも関連機関においても、コロナ禍の中での行動制限が続き、粘土の体験や形成過程の測定ということは、感染防止の観点から非常に難しく、あまり調査や実験が進展していなかった。来年度からコロナ禍の問題が払拭される可能性が高いので、さらに粘土作成における調査や実験による研究をより進展させ、さらに描画研究との同時測定を行いながら、多次元的に解析する手法をさらに発展させ、実証研究を進めたい。
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