研究課題/領域番号 |
22K18677
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50334917)
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研究分担者 |
榊原 航也 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (30807772)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 離散複素解析 / 離散正則性 / コーシーの積分表示 / 離散円周率 / コーシーの積分定理 / メッシュ分割 |
研究開始時の研究の概要 |
複素平面上で定義される複素数値関数の解析学である複素解析学は、数学のみならず工学等における応用でもよく活用されている数学の理論の1つです。本研究では、その離散的対応物である離散複素解析学の基盤を作ることです。このような研究は20世紀前半より進められてきましたが、複素平面の離散化の形状に制限がありました。これは、複素関数論で重要となる正則性の離散版の定義に起因します。本研究では、この離散正則性の定義をコーシーの積分定理を基礎に見直し、複素平面の離散化に対する制限を完全に取り払い、任意の平面分割上での離散複素解析学の構築のための基礎を確立します。
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研究実績の概要 |
複素解析は工学においても有用な数学的道具としても使われ、また数学的にも非常に整備された枠組みである。応用の観点からは、各定義や式などが離散化され近似計算に使われているが、正則性や調和性の概念そのものを離散の枠組みで構築する試みも1940年代ごろより研究がされており、特に離散調和性に基づく一定の成果が得られている。2000年代に入り、その応用として物理学やCGの分野にも影響を与えている。本研究では、従来のコーシー・リーマン方程式の離散化をベースとした離散正則性の導入をやめ、モレラの定理の離散版を離散正則性の基礎に置くことにより、メッシュの形状に制限のない離散正則性の導入を行うことができた。さらに、サイクルに依存した離散円周率の導入により、まだ近接サイクルのみであるがコーシーの積分表示や積分路変形原理に対応する離散版の積分路変形公式を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れている点としては、現在得られている離散コーシーの積分表示は、近接サイクルのみであることと、まだ高階の微分係数に関する公式が得られていない。また、関連して平均値の定理に相当する公式の構築が遅れている。このあたりの整備を進め、離散調和性の概念や離散最大値原理の構築を進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
前項と関連するが、高階の微分係数に関する離散コーシーの積分表示の構築を進める。これまでの考察により、導関数の定義をグラフ上のnode上に行うか、edge上で行うか、を微分階数に応じて適切に進める必要があると考えている。これらの考察を進め、さらに平均値の定理、離散調和性の概念や離散最大値原理の構築を進める。
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