研究課題/領域番号 |
22K18681
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芝内 孝禎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00251356)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 磁化測定 / 希釈冷凍機温度 / 熱力学量 / メンブレン / ファラデー力 / 表面センサー / 磁場勾配 / 微小試料 / キャパシタンス測定 / 微小単結晶 / 磁気トルク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、希釈冷凍機温度までの極低温領域での、数十マイクログラム級の微小単結晶試料の磁化の精密測定を可能にする装置を開発することを目的とする。近年、絶対零度付近での物性測定がますます重要となっているが、大きな単結晶試料が得られない物質も多い。そこで、現在極低温領域の磁化率測定手法として最も信頼性の高い、グラジエント型超伝導マグネットを用いたキャパシタンス法によるファラデー力測定を改良し、最近市販が始まったメンブレン型表面応力センサーと組み合わせ、微小単結晶試料での磁化測定を実現する。
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研究成果の概要 |
本研究では、最近の微小電気機械システムデバイス技術を、確立したファラデー力測定法と組み合わせ、微小単結晶試料における新しい極低温磁化精密測定システムを開発に向けての技術開発を行った。メンブレン型表面センサーを用い、磁場勾配を印加した際の磁化による発生するファラデー力を、キャパシタンス測定からメンブレンの変位量に変換して測定するものである。室温での動作確認は期待を超えるものであったが、低温ではコンデンサを形成するために蒸着した金により、低温でメンブレンの硬直化が判明し、今後に向けた改良ポイントが明らかとなった。並行して、希釈冷凍機と2軸回転機構を組み合わせた極低温精密比熱測定の開発には成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、凝縮系物理学分野において、量子相転移やトポロジカル相転移など、絶対零度における物性に関する物理が大きな注目を浴びており、極低温領域における精密物性測定がますます重要となっている。新奇物性を示す可能性のある物質を調べる上で、十分に大きな純良単結晶試料を得ることが困難な場合が往々にしてあり、微小単結晶での精密物性測定の需要は非常に大きい。本研究で開発を目指した極低温領域における磁化や比熱な度の熱力学量の精密測定が微小試料で可能となれば、より広い物質を対象とした極低温熱力学量測定が可能となり、様々な電子相の基底状態の理解が格段に進歩することが期待される。
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