研究課題/領域番号 |
22K18690
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下澤 雅明 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40736162)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 走査型熱顕微鏡 / 局所熱測定 / 熱顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、温度感度の優れた超伝導小型温度センサーを走査システムと組み合わせることで、超高感度の走査型熱顕微鏡を開発することである。さらに、開発した測定システムを用いて、キタエフスピン液体や量子スピン液体などのバルク熱測定で見られる実験ごとの矛盾点・不一致点に対して、局所的な視点から考えるきっかけを作る。
|
研究成果の概要 |
強磁場超伝導マグネットにも利用されているNbTi線を使用して、高精度な小型温度計を作製した。この温度計は、臨界電流の変化を利用して温度を測定し、ゼロ磁場では10-5 K以下の高精度で測定が可能である。温度計の走査には従来のピエゾシステムを使用したが、温度計の耐久度が低く、走査中に試料と何度も接触することで温度校正値が変わってしまう問題が発生した。将来的には、温度計の強度を改善するか、温度計を固定して熱源を動かすなどの対策を検討していく。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高磁場でも動作可能な超高感度の走査型熱顕微鏡を開発するという初の試みである。当初の計画通り、小型温度センサーはNbTiを含む超伝導接合によって成功した。しかし、センサーの機械的強度が不足しており、走査中に試料と接触すると状態が変化し、再現性に問題が生じた。さらなる改善が必要であるが、今後の研究指針を示す重要な成果を得ることができたと考えている。 本研究で用いたセンサー作製には、微細加工装置などの大型装置を利用する必要がなく、手作りで作製できるという特徴がある。これは、高額化する現代のモノづくりに一石を投じる意義もあると考えている。
|