研究課題/領域番号 |
22K18699
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 宏幸 東北大学, 工学研究科, 講師 (30768982)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 磁場閉じ込め核融合 / 非接触ダイバータ / 体積再結合 / 電子エネルギー分布 / 高周波プラズマ / DT-ALPHA / 再結合プラズマ / Retarding field analyzer / 非接触プラズマ / 核融合 |
研究開始時の研究の概要 |
非接触プラズマ(消えゆくプラズマ)中の電子温度は磁力線に沿って単調減少するという理解が一般的であるが、再結合フロント下流で電子温度が増加する兆候が放電形態・プラズマ診断手法・放電ガスを問わずに観測されている。このような結果は様々な装置で見られているが、そのメカニズムの理解には至っていない。再結合フロントでは熱化した電子のうち低エネルギーの電子が優先的に枯渇するため、電子エネルギー分布に歪みが生じうる。本研究は静電プローブ計測、分光計測および衝突・輻射モデルを駆使して電子エネルギー分布の歪みと消えゆくプラズマの空間構造との関わりを、特に電子温度に焦点をあてて明らかにする試みである。
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研究成果の概要 |
体積再結合によって消えゆくプラズマの空間構造と電子エネルギー分布の歪みとの関わりを明らかにするため,長尺シングル/ダブルプローブを設計・製作して再結合プラズマ中の電子温度と電子密度の磁力線方向分布を計測した.再結合フロントで約0.4 eV程度であった電子温度が,僅か0.15 m下流側で3 eV程度にまで増加した.下流に向けた電子温度の増加傾向は継続し,最終的に14 eV程度にまで増加した.その途中で温度の増加率が大きく変化する点が確認されたが,この点は軸磁場が大きく変化する点に対応した.電子温度増加率の変化は軸磁場の空間構造に関連した現象であると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再結合フロントの下流領域を計測した例は複数報告されており下流方向への電子温度増加の兆候が見られていたが,再結合フロントとエンドプレート間の距離が短く全体像を捉える事は困難であった.本研究では再結合フロントをエンドプレートから約0.4m離れた位置に生成する事で再結合フロントの下流領域を広範囲かつ詳細に計測し,電子温度増加の様子を全体的に捉えた.電子温度の増加が2段階に分けて進行する事が分かり,従来の再結合プラズマの空間分布の理解と異なる新しい結果を得た.再結合/非接触プラズによる熱制御を前提とする核融合炉ダイバータの熱設計や,熱制御性能の向上を目指した研究を捉え直すきっかけとなり得る.
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