研究課題/領域番号 |
22K18704
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
酒井 道 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (30362445)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | プラズマ / 物流ルート探索 / 強化学習 / アナログコンピューティング / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
多地点間のエリア内物流ルート網と、電極が多数存在する場合に生じる多数のプラズマチャネル形成との間に類似性を見出し、最適物流ルート探索解を求めるときに「アナログコンピューティング機能」としてプラズマのパターン形成の観測結果を活用する。プラズマチャネルによる迷路解法や強化学習系の計算機自動演算による最短物流ルート探索を行いつつ、両者の間に情報フローの類似性を見出す。そして、プラズマ形成の観測データを物流ルート設計計画に部分的に挿入し、計算機演算と比べて桁違いの高速解法を開発する。このように、物流ルート探索問題への活用を例として、プラズマが持ちうるアナログコンピューティング機能を評価する。
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研究成果の概要 |
多地点間の物流ルート網と、電極が多数存在する場合に生じる多数の長尺プラズマチャネル形成との間の情報フローの類似性に着目し、経路探索解を求めるアナログコンピューティング機能をマルチ長尺プラズマのパターン形成により実現した。プラズマチャネルによる迷路解法の系から電極対を増加させ、発光パターンからの多数チャネル形成の高速動画像を得た。また、強化学習系の経路探索(格子状ネットワークにおける多地点分布形状)の結果と対照させ、計算機単独による演算と比べて高速の経路探索解法を開発した。すなわち、「NP困難」である経路探索問題への活用を例として、プラズマが持ちうるアナログコンピューティング機能を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、これまでプラズマが特定の機能(この場合、経路探索能力)について、決して完全なものではないものの、従来の計算機に比べて桁違いに高速であることを示すことができた。また、その機構のモデル化において、強化学習法における行動価値関数の計算式とプラズマ中の粒子輸送の方程式との間の共通性を新たに見出した。プラズマ生成の形態としても、誘電体バリア放電を用いることで、安定して多電極間の複雑プラズマ形状を実現できることを示した。これらの成果は、これまでにプラズマ理工学の枠内で得られていた知見を超えて、新たなアナログコンピューティングツールとして評価に値することを実証した。
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