研究課題/領域番号 |
22K18715
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
民井 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (20302804)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | レーザープラズマ / ガンマ線計測 / 原子核乾板 / 超高強度レーザー / ガンマ線検出器 / エマルション |
研究開始時の研究の概要 |
超高強度レーザーの固体標的への照射で生じるレーザープラズマからの放射ガンマ線を定量測定する技術を開発する。レーザープラズマの標準診断手法として確立するとともに、将来的にプラズマ内で生じる核反応を検出し極端環境下の原子核反応機構を調べる新たな実験手法の開発につなげる。定量的な測定手法を開発することは標準診断技術につながり、将来のレーザープラズマを利用した研究への大きな布石となる。現在の先駆研究優位性を一気に進め、ガンマ線の定量的測定技術を手法として確立し、標準検出器としての実用化へとつなげる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、超高強度レーザーが固体標的に照射された際に発生するレーザープラズマからの放射ガンマ線を直接計測する技術を開発することにある。この技術により、レーザープラズマの動的メカニズムの理解や、プラズマ内で生じる原子核反応の証拠を検出することを将来的に目指す。放射ガンマ線の計測は、レーザー粒子加速の解析においても重要な診断手法であり、また、核反応の定量的測定につながる可能性がある。 本年度は既取得のデータ解析を進める作業と、新たな測定を行った。J-KAREN-Pレーザーを用い、解析では集光強度10の21乗 W/cm2パルス幅30 fsの高輝度パルスレーザーを、厚さ5μmの銀薄膜標的に1ショット照射したデータを用いた。エマルション検出器による計測から、ガンマ線によって引き起こされ電子・陽電子対生成の45, 76, 45, 39 MeVの飛跡を同定した。しかし入射方向については測定誤差内でレーザー照射位置から来ていることを証拠付けることはできず、レーザープラズマにおいて発生した電子が真空隔壁に当たって生じた制動放射ガンマ線である可能性が高いと推定した。 レーザープラズマ中で発生しているガンマ線を直接観測することをめざし、2023年11-12月に2回目の測定実験を行った。真空隔壁を薄くする工夫を行い、隔壁からのガンマ線生成を抑えて原子核乾板による測定を行った。一方でレーザーシステム向上を目的にプラズマミラーが標的前の光路に設置されたため、主パルスが到着する前の前駆パルスが除去され、プラズマから生じるガンマ線の量が大幅に減少した。原子核乾板に入射したガンマ線も同時に大きく減少していることが確認された。前駆パルスによる主パルス前のプラズマ生成が行われなくなり、加速電子が減ったことにyりガンマ線生成が減少したと理解される。ガンマ線放出機構の理解において重要な定量的観測である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関西光科学研究所での測定実験計画のビームタイム取得上の理由で、令和4年度に実施予定であった実験を令和5年度に実施したことによる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ解析をすすめるとともに、3回目の測定準備を進める。バックグラウンド事象を可能な限り低減するため、原子核乾板を微少な気圧内に設置することで、標的真空層からの隔壁がほぼ不要(薄膜による隔壁)となるように設計する。これにより、標的から放出された電子線による制動放射ガンマ線事象を大幅に低減し、さらに、必要に応じて標的からの道筋に電磁石を配置することにより電子線を偏向させ、原子核乾板に直接入射する事象をさらに軽減する。 また、エマルション検出器の10-50 MeV領域の電子に関する応答を調べる基礎テスト実験を、京都大学化学研究所の電子線型加速器を用いて行うことを計画している。データ取得により、ガンマ線測定時のエネルギー決定精度を向上することと、50MeVよりもより低いエネルギーのガンマ線の同定精度をあげるための解析手法の開発を目的としている。これらの開発活動は、本研究課題を主軸に活動を展開している大学院生を中心に進行する。得られた成果については、投稿論文の準備を進める。
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