研究課題/領域番号 |
22K18720
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大栗 真宗 千葉大学, 先進科学センター, 教授 (60598572)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 重力レンズ / 重力波 / 波動光学 / ダークマター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで観測例はないが近い将来観測が期待される波動光学重力レンズについて、 現実的な状況下での重力レンズ効果を計算する包括的な計算コードを開発し、様々な状況下での波動光学重力レンズの理解を深め、それを応用した新しい天文学の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
ボルン近似に基づく重力波の重力レンズ効果の調査を行った。フレネル長に対応する密度揺らぎにより生じる振幅と位相のゆらぎは10^-3のオーダーで小さいことがわかっていたが、幾何光学重力レンズ増光された重力波に対する、密度揺らぎパワースペクトルと振幅および位相ゆらぎを結びつける一般的な公式を導出し、それを用いて強い重力レンズで大きく増光された重力波に対しては振幅および位相ゆらぎが大幅にブーストされることを見出した。このことにより、波動光学効果を少ない数の重力波観測で検出しうる可能性を指摘した。この研究で導出した一般的な公式は、さまざまな状況下で波動光学効果を見積もるためのたいへん有用な公式であり、今後もさまざまな応用が考えられる。今後開発していく予定の数値計算コードの計算結果との比較も今後の重要な研究テーマとなるだろう。 またこの他に、ボルン近似の適用範囲の詳細の調査にも着手した。手始めに、点質量レンズの場合は波動光学効果の解析的な表式が知られているので、点質量レンズの場合に解析式とボルン近似の式の計算結果を比較し、フレネル長が十分大きい場合、またソースの位置が離れた場合など重力レンズ効果が弱い場合にボルン近似の精度が良いことが確認できた。これらの結果をもとに、波動光学効果の数値計算の準備を順次進めている。またボルン近似の精度の比較も、等温球質量モデルなど他の質量モデルに拡張し今後さらに調べていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボルン近似に関する重力な進展を得ることができ、論文に成果をまとめることができた。数値計算の準備も進んでおり、研究は概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
ボルン近似の精度の詳しい調査と、数値計算コードの開発を並行して進めていく。また数値計算コード開発のための波動光学理論の詳細な再調査も行っていく。
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