研究課題/領域番号 |
22K18722
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川崎 教行 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (50770278)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 初期太陽系 / 微惑星 / 二次イオン質量分析法 / 年代測定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,初期太陽系の微惑星において水の流体活動が起きていた時期を詳細に明らかにすることである。炭素質コンドライト隕石に含まれる炭酸塩鉱物は,微惑星における水質変質プロセス中に形成した。二次イオン質量分析法を用いたMn-Cr年代測定法により,そのような鉱物の形成年代が測定されてきた。本研究では,マルチコレクター型二次イオン質量分析装置を用いた高精度Mn-Cr同位体測定により,炭酸塩鉱物の粒子間の形成年代バリエーションを明らかにすることに挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,初期太陽系の微惑星において水の流体活動が起きていた時期を詳細に明らかにすることである。炭素質コンドライト隕石に含まれる炭酸塩鉱物は,微惑星における水質変質プロセス中に形成した。二次イオン質量分析法を用いたMn-Cr年代測定法により,そのような鉱物の形成年代が測定されてきた。本研究では,マルチコレクター型二次イオン質量分析装置を用いた高精度測定により,炭酸塩鉱物の粒子間の形成年代バリエーションを明らかにすることに挑戦する。
炭酸塩鉱物の粒子間の形成年代バリエーションを明らかにするためには,高精度のMn-Cr鉱物アイソクロンを取得する必要がある。そのために必要な条件は,(1) 炭酸塩鉱物中からMn/Cr比(Mn-Crアイソクロンの横軸)の大きい領域を局所分析すること,(2) かつCr同位体比の分析誤差を最小に留めることが必要である。それらの条件を同時に達成するために,二次イオン質量分析法において,一次イオンビーム照射によりスパッタされた試料から放出された二次イオンの収率をできる限り高める必要がある。
本年度は,二次イオン質量分析法における一次ビームに,O2分子イオンを新たに用いることで,MnおよびCr二次イオン収率改善を行った。従来のOイオンビームでの分析と比較し,同一ビームカレントにおいて,約4倍の二次イオン強度が得られることを確認した。また一次ビームの違いによる,MnとCrの相対感度係数のマトリックス効果の変動もほとんどないことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい一次ビーム種を用いた分析を確立し,二次イオン収率とマトリックス効果の変化まで確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
本分析手法を用いて,炭素質コンドライト(Ivunaなど)の炭酸塩鉱物のMn-Cr同位体分析を行う。微小領域高精度分析の特徴を活かして,これまでにほとんど行われていない,単一鉱物粒子内および鉱物間における年代差に着目した年代測定を行っていく。
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