研究課題/領域番号 |
22K18727
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東塚 知己 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (40376538)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 気候変動現象 / 熱帯域 / 因果関係 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を含む世界各地に異常気象を引き起こす熱帯域の気候変動現象の理解と予測精度の向上は、特に気候変動研究の中でも重要な課題であある。本研究では、因果関係の解析手法を新たに拡張した上で、初めて熱帯域に発生する気候変動現象間の相互作用の研究に応用することにより、そのメカニズムを明らかにするだけでなく、大気海洋科学分野、さらに広い地球惑星科学分野における新たな解析手法を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
太平洋のエルニーニョ・南方振動に代表される熱帯域の気候変動現象は、日本を含む世界各地に異常気象を引き起こすだけでなく、海水温や湧 昇に伴う栄養塩の供給の変動を通して広い海域の生態系にも大きな影響を与えることが知られている。したがって、熱帯域の気候変動現象の理 解と予測精度の向上は、気候変動研究の中でも重要な課題であり、特に気候変動現象間の相互作用の理解を深めることができれば、熱帯域の気 候変動現象、ひいては全球の異常気象の予測精度向上に貢献することも可能となる。本研究では、因果関係の解析手法を初めて熱帯域に発生する気候変動現象間の相互作用の研究に応用することにより、そのメカニズムを明らかにするだけでなく、大気海洋科学分野、さらに広い地球惑星科学分野における新たな解析手法を確立することを目指す。本年度の主要な研究成果は、以下の通りである。 1)Liang (2014)によって提唱された因果関係の解析手法を全球の海面水温と降水量のデータに適用し、その有効性を調べた。その結果、熱帯域では、海洋から大気への影響がより支配的であるのに対し、熱帯街では大気から海洋への影響がより支配的であることが示された。また、局所的な影響だけではなく遠方への影響を明らかにするとともに、その影響の季節性についても明らかにした。 2)Liang (2014)が、2つの現象間の情報の流れを計算することにより、因果関係を定量的に調べる新たな手法を提案したが、3つ以上の現象やプロセスの間の相互作用について調べることが可能なプログラムを作成した。また、有意検定も行えるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り2022年度の研究を進めることができ、論文も国際誌に1編出版することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き熱帯域に発生する気候変動現象間の相互作用のメカニズムを明らかにするとともに、新たな因果関係の解析手法を確立することを目指したいと考えている。また、今年度の研究では、主にLiang (2014)によって提唱された因果関係の解析手法を採用してきたが、次年度以降は、他の解析手法も合わせて研究を進めていきたいと考えている。
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